Lady Merry の日記

Yahooブログから引っ越してきました。

一つの推測

そこには「一滴の真紅」という物的証拠・・・。
そして後の話にもなるが、
王女アスタナシアの生前の肖像画・・・その面影とフラアの似姿・・・。
更に何と言っても、ツォン・シーユゥの存在は大きすぎる。

実際・・・天使シリスは「フラアを守れ」と、ツォンに言ったわけではない。
ツォン・シーユゥの勝手な解釈である。
だが、勿論第三者にその事を正確に伝えたとしても、
ツォンが守るべき者が、フラア以外に存在しているとは考える事もできないだろう。
子供の頃から、一個の人間として誰にも存在価値を認めてもらえなかったツォンは、
誰かの役に立っていること・又は誰かに与えられた使命を果たすことだけが、
己の人生の生きがいとなっている。

天使シリスに仕え、
後の国王カラドックや、加藤恵介と共に行動をし、
時にはラヴィニヤや朱武の娘などを守ったり・・・、
そして今は、このフラアを守ること・・・既にそれが自分の使命と確信していたのである。
・・・後にディジタリアスは回想する。

 シリスがツォンに「守るべき」と言った者・・・、
 それはもしかしたらフラアの事などではなく・・・、
 事によると・・・この世界の人間・・・
 いや、地上の生き物全てに対しての言葉だったのかもしれない。
 だが、それら全ての命ある者、地上の全人類を救う、
 その鍵となる行動を果たしたのは、
 間違いなく「あの場」で王族と認められたフラア・ネフティス以外の何者でもないのだ。
 アルヒズリのエア王・・・雷公将軍ランデイ、
 イズヌの鬼人ミカヅチ・・・21世紀の宇宙飛行士ツナヒロ・・・暗殺者ザジル・・・、
 そして他ならぬディジタリアス自身・・・。
 ・・・誰が抜けても人間は死に絶えていたのかもしれないが、
 その中心にフラアがいた事・・・、
 全てが・・・「神」の・・・いや、「神々」のシナリオ通りだったのかもしれない・・・。

その推測は、この後、旧世界スーサの王アスラが残した遺産・・・
アトランティス」が発見されるその時に、
ディジタリアスのみならず、そのアスラの子孫たるランディですらも、
ディジタリアスと同じくその考えを持つに到る事になるだろう・・・。