Lady Merry の日記

Yahooブログから引っ越してきました。

辛い結末

 
 「・・・お母さん・・・ ?」

無能な男どもが言いあっている間、
部屋の中央では事態に変化が生じていた・・・。
医師たちもテキパキと次の行動を取り始める。
フラアはそれ以上何も言えず・・・
何も反応できず、
医師たちの邪魔にならないように、体は引いてて見せるが、
もうその視線も表情も変化させることができない。

母親の精神力も限界を超えてしまったのだろう、
もう、意識も反応もない・・・。
ディタリアス達もそれがわかり、
自分達の無駄なやりとりすらできなくなっていた・・・。
これまでの経験から、フラアも母親への呼び掛けを連呼するかにみえたが、
もう、彼女も体力の限界がピークに達しているせいもあるのか、
何も言えず、唇を震わせるのみなのだ・・・。

やがて医師のリーダーは、母親の脈や瞳孔を調べ・・・
そして最後の宣言を行うのだ・・・。
 「・・・残念ですが・・・・・・。」

静かな時間が流れる・・・。
医師達が起こす無機的な器具を取り扱う音しか聞こえない。
フラアはその決定的な言葉を聞いても、腰を動かす事など出来やしなかった。
数十秒も経ってから、
蚊の泣くような小さな声で・・・
 「 う そ・・・」
それだけしか反応できなかったのだ・・・。
だが・・・その放心状態も・・・
やがて津波のように押し寄せる感情の爆発の前触れに過ぎない・・・。