転嫁
フラアも、この静かな部屋で、後ろのディタリアスやツォンの会話が聞こえないわけでもない。
自分の行動を危惧してるんだな、という考えまでは容易に想像つく。
とはいえ、本当にそれ以上、何も考えられないのだ。
誰のせいでこうなったのか、
どうしたらこの現実を避けることができたのか、
自分が悪いのか、法王庁のせいなのか、
ディジタリアスを恨めばいいのか、ツォンを責めればいいのか、
全て、疑問を解消させることもなく、堂々めぐりの疑問が次々と頭に沸いては消えていく。
程なく用意された毛布や水差しをツォンが運んできても、
フラアは認識はするが反応できない。
ツォンも何か言わねばと思い、
彼女を慰めようと、あれやこれや言ったり、背中をさすってもフラアには邪魔なだけだ。
フラアは認識はするが反応できない。
ツォンも何か言わねばと思い、
彼女を慰めようと、あれやこれや言ったり、背中をさすってもフラアには邪魔なだけだ。
辛うじて、・・・フラアはツォンに答えを返す・・・。
「ツォン君・・・大丈夫・・・
毛布・・・使うわ・・・だから・・・一人にして・・・。」
別に「大丈夫」なんて言葉の上だけだ。
このツォンという人間にも、
ある意味、自分より不幸な生い立ちを持ってる事は、前日聞かされていたが、、
今、この時点では思い至る事などできやしないし、
そんなものを指摘されたところで「知ったことか」と答えるしかないだろう。
「ツォン君・・・大丈夫・・・
毛布・・・使うわ・・・だから・・・一人にして・・・。」
別に「大丈夫」なんて言葉の上だけだ。
このツォンという人間にも、
ある意味、自分より不幸な生い立ちを持ってる事は、前日聞かされていたが、、
今、この時点では思い至る事などできやしないし、
そんなものを指摘されたところで「知ったことか」と答えるしかないだろう。
失った家族はもう帰ってこない、
あの幸せだった空間も時間も元には戻らない・・・。
だったら、全ての慰めは無意味なのだ・・・。
家族以外に信じられる人間もいない。
ツォンやディジタリアスが自分を救ってくれた事は確かだが、
ほとんど初対面の人間だ。
心を許せるはずもない。
背中を見せるフラアの無言の主張に、
ツォンは彼女から離れ、壁際で自分の毛布にくるまった。
あの幸せだった空間も時間も元には戻らない・・・。
だったら、全ての慰めは無意味なのだ・・・。
家族以外に信じられる人間もいない。
ツォンやディジタリアスが自分を救ってくれた事は確かだが、
ほとんど初対面の人間だ。
心を許せるはずもない。
背中を見せるフラアの無言の主張に、
ツォンは彼女から離れ、壁際で自分の毛布にくるまった。