Lady Merry の日記

Yahooブログから引っ越してきました。

地底へ 4

 
確かな足場がある事を確信したインディアン・グログロンガは、
ロープを掴みながらではあるが、一気に地面へと飛び降りた!
 スザッ!
 「・・・花だ・・・一面花が咲いているぞ!?」
確かにそれは小さな野草だ。
地上で見慣れた種類のものでこそないが、
そこにあるのは、間違いなく小さな花びらを咲かせた草花たちだ。
辺り一面に咲き誇っている・・・。
茫然と辺りを見回すグログロンガの後に、
続いていた部下や、タケル達が飛び下りてくる。
 「・・・こいつは・・・。」
そして更にその先に、
彼らを待ち構えていたのは、とてつもなく巨大な空洞世界だった・・・。
自分達が降りてきた縦穴の、さらに奥に、
それこそ天井数十メートル程の高さにまで拡がる空間・・・
遠くには、ぼんやり霞もかかっているせいもあるが、
奥行きがどうなってるかは見通す事も出来ない。
 「それにしてもこの光はどこから・・・。」
辺りの鉱物を観察していたデンが警告する。
 「どこかにマグマの流れがあるんだろう・・・。
 岩石が溶けかかっててうっすらと光ってるんだ。
 みんな熱気を感じたら迂闊に近づくなよ・・・。」
全員、しばらく辺りを観察するしかない。
そして、かなりの距離を降りてきたのだ、
男性陣のフォローがあったとは言え、非力な女性のマリアはつらそうだ。
ここはサルペドンが気を使う。
 「マリア、ミィナ、お前たちは無理をするな、
 しばらくここで休息をとるといい。」
見れば結構、つらそうだ・・・。
これはどうしょうもない。
ミィナは虚勢を張って強がっているが、
同じ女性のマリアが、
遠慮なく「休みたくてうずうずしてる」視線を自分に投げかけているのに気づくと、
ニヒっ、と笑って、そそくさとしゃがみ込んでしまった。