Lady Merry の日記

Yahooブログから引っ越してきました。

地底へ 7

 
スサの部隊から大きな歓声が・・・。
だが、ミィナ自身、こんな化け物を相手にしたことはない。
この鞭だけではダメージを与えられないことも分かっている。
出来るのはトカゲを脅かすことと、大きな音を立てて威嚇することだけ・・・。
 「ほら!そこのおっさん、さっさと逃げろよ!!」
ウィグル語でまくし立てられても、酒田は理解できないが、言いたいことは分かる。
みっともないが、ここは態勢を立て直して・・・。
 「誰かライフルを撃て! 離れた所からなら・・・!」
サルペドンの大声の指示で、すぐに部下の何人かが狙撃の用意を・・・。
一方、ミィナはタケルに向かっても怒鳴りつける。
 「おい! アンタも何やってんだ!
 剣でどうにかできるわけねーだろ!?
 マシンガンか手榴弾くらい持ってねーのか!?」

そこでようやくタケルは我に返る・・・。
 ちっくしょう・・・! 今度こそ!!
巨大トカゲはミィナの風を斬る鞭の音に警戒しているまま・・・。
集中する時間は今しかない!
 バチィッ!
天叢雲剣発現!!
・・・だが、まだ巨大トカゲに放電するにはエネルギーが足りない!

 ビュオッ!!
 「うわぁっ!」
突然、ミィナの視界の外から、トカゲの尻尾が回し蹴りのように彼女を襲う!
天性の反射神経で鞭を楯のように使ったが、
ほとんど意味もなく、そのままミィナは身体ごと吹き飛ばされる!
 このままでは・・・っ!?
誰もが、彼女が地面か壁に叩きつけられてしまうかと思ったが、
 「うぉっ・・・とぉっぉ!!」
なんとタケルの逞しい左腕が、ミィナのカラダを抱きかかえる事に成功!
・・・ついこないだ切断された左腕のことなど、完全に忘れきっているようだ!

 「グェホゲホッ! (あ・・・あれ?)」
瞬間的に息ができなくなったのだろう、
ミィナは咳込みつつも、覚悟していた大ダメージがない自分のカラダに戸惑いまくっている。
それどころか、自分のウェストや背中のあたりを、
ぶっといタケルの腕や胸で、がっちりロックされてるこの状況に気づくと・・・。
 「うゎうゎうゎぁっ!」

苦しむ(?)ミィナを気遣う言葉をかけてもいいが、今は戦闘中!
タケルはゆっくり彼女のカラダを地面に置くが、その視線は巨大トカゲに向けたまま・・・。
 もう、たっぷりと「溜まった」ぜ!
 待ーたーせーたーなーぁっ!!