Lady Merry の日記

Yahooブログから引っ越してきました。

地底へ 8

 
鞭の警戒を解いた巨大トカゲは一気にタケルに突進する!
だが、一度スィッチが入ったタケルの戦闘本能は、
相手が化け物だろうと、もう臆することなく正確に攻撃のタイミングを掴んでいた!

 今度こそぉ・・・叫べ、いかづちっ!!

オレンジ色で染められた世界に、青白い閃光が放たれる!
耳をつんざく轟音とともに、無数の電流が巨大トカゲを蹂躙していく!!
何が起きたかも分かるまい、
そして・・・、数秒の止まった時間の後、巨大トカゲは力なく地面に崩れ落ちたのだ・・・!

 「いやぁ~、焦ったぁ、一時はどうなるかと思ったぜ・・・。」
額の汗をふくタケルにサルペドンのお小言が・・・。
 「お前な、・・・油断のしすぎだ!
 それと剣の力を過信し過ぎるな?
 力の源は自分自身の精神力なのだ、萎縮した状態では何もできないぞ!」
 「ああああ、はいはい、わかったよ、サルペドン、
 余りにもいきなりだったからさぁ~、
 もう、同じ轍は踏まねーよ・・・。
 おい、ミィナ、大丈夫か? 助かったよ、
 ホラ、手を貸すぜ。」
彼女は彼女で、初めて見る天叢雲剣の真の力にびびりまくってる。
 「おっ、おい、何だよ、今の・・・!?」
驚きすぎて、タケルの腕にがっしりと掴まれたときも、
余りにも近すぎる肌の密着度に、我に返るまで時間がかかった。
 「うん? まぁ・・・説明どうしよう・・・オレも良くはわかってないし・・・。」
 「タケルさん、そこは私が後で彼女に説明しておくわ。」
マリアがフォローしてくれた。
この人は本当に気の利く人だ。
やっとミィナは、半ば強引にタケルの腕を離す。
タケルは彼女が嫌がってるのかと思い、自らも腕を解くが、
実際ミィナの表情はあからさまに迷惑そうな顔つきでもない、か・・・?
ミィナは殊勝にも、恥ずかしげに礼を言う。
 「あ、お、あ、ありがとよ・・・!」