Lady Merry の日記

Yahooブログから引っ越してきました。

シルヴァヌスの森 27

 
 はぁ、はぁ、・・・はぁ・・・。
何も変化がない・・・、反応すらない・・・いや?
聞こえる・・・ またあの声だ!

 まだ・・・繋がってないようだねぇ・・・

すると、同じ向こうの「世界」から、老婆とは違う男性の乾いた声が・・・。

 ち・・・父はまだ・・・揺りかごの中・・・
 だが・・・目覚め・・・近い・・・

 ああ、そうだねぇ、時折感じるよ・・・あの方の瞼が開くのを・・・。
 あたしたちは、もうしばらく・・・
 この暗き森の中に居続けねばならないのだろうかねぇ・・・?

これは違う、
雷撃では「消えない!」
次にタケルが選択したのは祓いの剣!
邪念や動揺があっては効果がないのはなおさらだが、
彼がひと振りごとに冷静さを取り戻していくと、
やがて、「闇」が薄れていく事を理解できる。

そうだ・・・あらゆる「魔」を打ち払う祓いの剣なら・・・
今の気味の悪い、オカルトめいた現象をも打破できるんだ!

 『・・・ケル! タケル! どうした! 何があった!?』
いつの間にか、無線で呼び続けられていたようだ。
一体、自分でもどれぐらい時間を費やしていたのか、
今は背中で息をしている・・・。
体温も激しく低下しているようだ・・・。
これで・・・シルヴァヌスとの脅威に立ち向かえることができるのだろうか?
激しく自分を呼ぶ声に、タケルは息を整えてから無線に答えた。
 「・・・心配いらない・・・何か幻覚のようなものを見せられたんだと思う・・・、
 もう大丈夫だ・・・。」