Lady Merry の日記

Yahooブログから引っ越してきました。

シルヴァヌスの森 28

 
 幻覚だって?
シルヴァヌスにそんな能力はないはず・・・。
あるとすれば、幻覚作用のあるキノコの胞子でも吸ったのだろうか?
サルペドンは、疑念を抱きながらも次の作戦を伝える。
 『まだ天叢雲剣を振るえるか?
 ここからの作戦はお前の精神力次第なんだが・・・。』
 「言え! まだ余裕だ・・・!」
 『そうか・・・、今お前が天叢雲剣を振るった時、マリアが閃いたそうだ。
 先ほど、シルヴァヌスが能力を強めた時、ヤツがどこにいるのか感知できたらしい。
 そこで・・・ここから先、お前は天叢雲剣で放電しながら前へ進め!
 お前が能力を使う瞬間、お前の精神の爆発力をマリアは関知してお前の位置をも把握する。
 それでこっちでお前とシルヴァヌスの方向をチェックしながら無線を送る。
 どういうことか分かるな!?』
何つう強引かつ力技だ!
そんな無茶をやれと!?
・・・いや、やってやろうじゃねーか!!
そういう押しの強い作戦は大好きだ!
自分の性にふさわしいとさえ言える。
早速タケルは、少し進んでから天叢雲剣を発動!
 『違う! 右に30度! 是正してから進め!』
そういや、距離はどれぐらいなんだ!?
だが、これはかなり効果的な作戦だ。
 『少し左にずれてきた! もう一度右へ10度!』
ええぃ、やかましい!!
行きゃあいいんだろっ!

気をつければいいのは足場だけ・・・。
後は頭上から木々のツタが襲ってこようと、周りから獣に取り囲まれようと!!
もう踏みしめられた道など関係ない!
目的地まで一直線に!

だが・・・タケルの本能は危機も察知する!
進む方向の向こうに何かいる・・・!