Lady Merry の日記

Yahooブログから引っ越してきました。

地母神デメテル 16

 
思いっきり、顔を覗きこまれるタケル。
互いの顔はまさしく目と鼻の先だ。
ちょっとその気になるか、どちらかがつんのめりさえしたら、もう互いの唇さえ触れあうのではないか?
 「あ・・・あの!?」
しかも当のデメテルの眼差しは、トロンと潤いを帯びているようにも見える。
タケルは美人は勿論好きだが、デブ専でもないし熟女好みでもない。
ど、ど、ど、どうしよう・・・!
もう、彼女の吐息を感じられる距離まで近づくと、
いきなりデメテルはクックック、と笑い始めたのだ。
 「ういのう?
 そなた、女には慣れておらぬのか?」
えっ? いえ、そんなわけじゃ、た、ただ・・・。
ようやく、顎を放してもらい、辺りを見回すと・・・、
そういえば、デメテルのお付きの男性陣て、みなイケ面か筋肉質の精悍な顔立ち・・・。
さては、このデメテル・・・逆ハーレム作ってやがる・・・!?

顔は解放されたとはいえ、まだ、タケルの腕は掴まれたまま・・・。
確かにタケルが思いっきり拒絶の意志を見せれば、男性の力で振り払う事は容易なのだが、
何分にもデュオニュソスの件の引け目が、タケルにその決断を許さない。
・・・そのうちにタケルもヤバくなってきた・・・。
デメテルから放たれている「女」の匂いが、タケルの「男」を刺激し始めてきたのである。
それもデメテルは見越したかのように更なる誘惑を・・・。
 「ほっほっほ、遠慮することはない、
 他の女どもと比べてみるがよい?
 このデメテル、肌の白さと弾力は他では味わえぬぞ?」
そう言われてみると、さっきっからこすれあってる腕の皮膚のきめ細かさはどうだ?
事前情報では結構、いい歳になってる筈だが、
外見上は30代真ん中ぐらいにしか見えない。
思わずタケルはその腕の柔らかさに負けて、自分から指を動かしてしまった。
 ニヤリ。
デメテルが笑う。
 「どうじゃ? 想像してしまったか?
 わらわの胸や下腹部の弾力はこのようなものではないぞ?
 自分の生殖器をこすりつけたくなったのではあるまいか?」
 ぶっ!
そ・・・それは、な、なんちゅう・・・サルペドン助けてぇっ!!
タケルが危機を感じたのは、誘惑に負けそうな自分がいる事に気づいたからだ。
普段なら、こんな誘惑に負けるはずないのだが、
一度この女神の世界に足を引きずりこまれたら、
二度と健全な世界に帰ってこれなさそうな気がする!