Lady Merry の日記

Yahooブログから引っ越してきました。

地母神デメテル 28

 
僕を・・・守る・・・ため?
 『人は何かを守るために、時としてとても大きな力を引き出す事が出来る・・・。
 今のお前にはないのかい?
 でも、思い出してごらん?
 お前が強くなり始めたのは、
 お姉ちゃんを守ろうと、誓った時からだろ?』
そう・・・かな、そう言われれば・・・そうかもしれない。
 『いま、お前が守りたい物は何なんだい?』
それは・・・。
 『まぁ、すぐにわからないなら、答えを急ぐことはないさ、
 ただね、今どこに行けばいいか分からないのなら、
 自分を一番よく知ってる者に、明かりを照らしてもらってもいいんじゃないかね?』
一番、僕の事をよく知っている・・・。
それは、まさか後ろからやってきている獣・・・?
えっ!?
ああっ! こんなにも近くに・・・!
一体いつの間に・・・見える・・・鋭い牙が!
あんなにも大きな口を拡げて・・・助けておばさんっ!

 グワァルルッ!

・・・あれ?
き、消えた・・・。
僕を通り越した・・・この先に・・・?
おばさん・・・、おばさんの言うとおり、襲われなかったよ・・・おばさん?
おばさん!?

 『言った通りだろう、タケル・・・』
ああ、良かった、
いなくなっちゃったかと・・・おば さ 

おばさん?
どうして・・・
おばさんの顔が地面に転がっているの?
どうしておばさんの手足が、バラバラになって飛び散っているのっ?
 『怖がる事はないよ・・・、こうしてあたしのカラダは地面の栄養になるんだ・・・
 お前のお姉さんの死も、きっとお前の栄養になっているさ・・・。』
そ、そんな事・・・何を言ってるんだかわからないっ!
姉ちゃんが死んだのは僕のせいっ! 
そんな僕が生きていて何の意味があるって言うんだっ!?
 『・・・お前も誰かの為に生きれば、わかるんじゃないのかねぇ?』
だ・・・誰? 誰のために?
 『まずはそれを見つけたらどうだい?
 きっとそれまで、あの獣はお前を見守っているさ、
 お前はまだ、守られているままなんだからね・・・。』
誰に!? あの獣!? アレは一体何なの!?
 『あの獣は、お前のお姉ちゃんを食べたのさ、
 そして・・・あの獣のお腹の中には、
 まだ、お姉ちゃんがいるのかもしれない・・・
 消化もされずに、お前を心配で見ているのさ。』