Lady Merry の日記

Yahooブログから引っ越してきました。

守護女神アテナ 12

 
サルペドンの表情に緊張が走る。
 「戦神アレスか・・・!」
 「当初、この村に入りこみ、そなたたちに奇襲をかけるとかぬかしておったが、
 それは拒絶しておいた。
 じゃが、わらわのテメノスの外で、と言うのなら、
 もうそれはわらわにはどうする事も出来ない。
 ここでそなたたちに味方すれば、今度こそゼウスはわらわを許すまい。
 アレスは・・・お前たちでケリをつけるべきじゃ・・・。
 とは言え、お前達の一団はもはや30人程しか戦える者はいまい?
 ここでアレスと戦ったら・・・。」
サルペドンは黙っていた・・・。
いや、彼も既にアテナとの会話でほとんど、こうなる事は覚悟を決めていた・・・。
それが早いか遅いかだけの話・・・。
 「わかった・・・
 ありがとう、デメテル
 それで感謝ついでに頼みと言うか、願いと言うか・・・、
 その『嘆きの谷』で私がアレスを迎え撃つのなら・・・、
 この村にも多大な影響を引き起こすかもしれない。
 ある程度、能力をコントロールするつもりだが・・・、
 村人たちに注意を呼び掛けてほしい。」
 「わかっておる、
 じゃが、もし、村人に被害を与えたら貴様を容赦せんぞ?
 いかなる償いをしてもらおうかの?」
 「タケルを一晩貸すと言うのは?」
 「ふっはっはっはっは!
 それは名案・・・なんと言ってる場合か?
 とっととケリをつけてくるが良い。
 あの坊やとアテナの事はそれまで、わらわが見届ける故・・・!」
そこでサルペドンはデメテルに手を差し出した。
しばしの間の後、デメテルは彼の手を暖かく握りしめる。
100年以上の昔、
アテナと・・・ポセイドン、そしてこのデメテルが如何なる関係だったのか、
興味あるところだが、
彼らにしてみれば遠い過去の美しい思い出なのだろうか?
サルペドンは柔らかい笑顔を浮かべるデメテルを背にし、

今、再びポセイドンの姿を取り戻し戦場へと向かう!