クラトスとビア 1
さて、
こちらはメタパのハデス宮殿に戻ってきたヘルメス。
不機嫌な表情で、依頼を受けていたハデスの元にやってくる。
薄い口髭を蓄えたハデスは、
緩やかな笑みを浮かべ、少年神の帰還を出迎えた。
「ふむ・・・帰ったか、ヘルメス。
ん? つまらなそうな表情だな?」
「だってさぁ、なんか・・・まとまっちゃったぜぇ?
あのタケルとか何とかって奴、
偉そうにポセイドンに説教かましちゃって・・・。
オレ、何しに行ったんだか、わかんないよ、アレじゃぁ?」
「ほう? そうか、
では失敗に終わったのだな?」
「争いの女神エリスでも連れてった方が確実だったかもね?
もう、めんどっちぃけどさぁ。」
「ふふ、まぁ、そう言うな。
ご苦労だったな、
それより、その・・・タケルとやらはどんな男なのだ?」
「うざ過ぎるくらい、むさ苦しい奴。
すぐ熱くなる様な単細胞、ってとこじゃないかな?」
「そうか、熱い男なのか・・・。
ふっふっふ、それを聞けただけで十分だよ、
この地下世界に降りてきてから・・・、
いや、地上でもきっと、多くの殺し合いに勝ち残ってきたのだろうな?
それでこそ・・・私の能力は最大限に効果を発揮するだろう。
今までの戦いで死んでゆくほうが、
遥かにマシだったと思い知らせてくれようぞ・・・。」
そしてハデスの背後には一組の男女の姿が・・・!
「ハデス様、では他の雑魚たちは私めらが!!」
「おう? クラトスにビアよ・・・!
ポセイドンだけには気をつけよ?
それ以外は・・・皆殺しにしてしまえ!!」