Lady Merry の日記

Yahooブログから引っ越してきました。

クラトスとビア 9

 
クラトスに・・・ビアだと!?
聞き覚えのある名前に、タケルの注意が向かう。
そして背後からのサルペドンの声が、その二人の正体をタケルに知らしめる。
 「ヘファイストスを連れ去ったオリオン神群だ。
 その名は『権力』と『暴力』を象徴する。
 自らの領地テメノスを持たない、ゼウス直属の神と言えよう。」

激しい衝突音が弾けるっ!
その悲鳴は階段部分の石材からか、凶悪な金属の鎖からの音か、
そのデモンストレーションに、
獣の世話係は勿論、タケルに怯えていた獣すらも狼狽し始めた。
そして調教師や世話係は、恐れおののきながら道を空ける。
いよいよだ、
ついに石の坂道を降りてきた二人の神は、
その門をくぐり、タケルたちスサの前に姿を現した・・・!

・・・でかい!
身の高さはタケルの身長に匹敵しそうな、190をも上回る上背だ。
カラダの肉付きもいい。
下手をするとタケルの体重を上回るだろう。
そして、やはり上半身は素肌のまま、その上に直接マントを羽織っている。
これが権力の神クラトスか・・・!
そして、もう一方、
カラダに吸い付くレザーファッションに・・・
鞭ならぬ鎖を携えて現れたのは、ベリーショートの金髪の女性・・・、
見るからに攻撃的な視線を持つビアだ!
暴力の女神というだけあって、そのプロポーションに無駄な贅肉はない。
体型的にはアテナに近いのかもしれないが、
病的なほど痩せ細って見えるのは、かなり印象深い。
当初、露出の激しい女性の登場に鼻をのばしかけた酒田さんも、
ここまでガリだと興醒めのようだ。

ビアはもう一度、ジャラリと鎖を地面に叩きつけると、
怯えまくっていた黒犬に向かって、視線を投げた。
 「どうでもいいけどさぁ~、
 なぁんでそんなとこで震えてるんだい、オルトロスゥ~?」