Lady Merry の日記

Yahooブログから引っ越してきました。

クラトスとビア 19

 
 「フッフッフ、ビアよ、不利なようだな?
 だが、そろそろ小娘に花を持たせてやる時間はここまでだ、 
 我等は二人で一組であることを教えてやろう!」
すぐさま、タケルが反応する。
ビアがミィナの獲物なら、二人の邪魔をさせないことがタケルの役割!
 「おっと! クラトス、
 おめぇの相手は・・・ 」

 「無礼者がぁっ!!!!!」
鼓膜が破れんばかりのクラトスの一喝!
戦いに集中していたとは言え、あまりの音量にタケルたちの動きが止まる。
その隙へクラトスの攻撃が始まるのかと思うと、そうではない。
クラトスが両手を掲げると、
マントの下の裸体が露出する。
いや、別にそれが目的じゃなくて、
クラトスの次なる行動は・・・。
 「貴様ら、地上の者ども・・・、
 貴様たちは人の命というものを考えたことがあるのか・・・!?」
なんだ?
戦いの最中に!?
だが、戦意も見せずに問われた手前、
何か答えを返さないと・・・。
 「い、いきなりナンだよ!」
 「貴様・・・タケルといったか?
 貴様は今まで、何人・・・いや、何十人の命を奪ってきた?」
 「な・・・何人って・・・そりゃ・・・。」
改めて思い返してみたら・・・、それは恐らく膨大なる数字になるかもしれない・・・。
 「すぐに答えられぬのか?
 貴様はまだ、生を受けてたかだか20年程度だと聞いておるぞ?
 その若さで数多くの人間の人生、生活を・・・未来を踏みにじってきたのだな?
 彼らには・・・家族や友人、愛する者が存在していたはずだ。
 貴様が殺した者たちの陰に、果たしてどれだけの涙や悲劇を生み出していたか、
 若造の貴様は思いも寄らなかったのではないか!?」