Lady Merry の日記

Yahooブログから引っ越してきました。

死者を呼ぶ者 45

 
ハデスの跳んだ方角に向けて、
タケル最大の雷撃の津波が襲い掛かる!!
 「うおおおおおおおおっ!?」
自分の命が懸かってるのだ、
ハデスも必死の抵抗!
最後の手槍を自らの前方に投げ出し、雷の避雷針にっ!
瞬きする間もなく雷の激流は、この場にたった一つしかない金属物めがけて集中するも、
タケルの繰り出した雷撃は、
その槍の許容量を遥かに上回るエネルギーだったのだ・・・。
槍を食い尽くしただけでは満足することのない電撃は、
生き物のように更なる供物を求めて、本来向かうべきはずだった方角に・・・!

 光の速さで空気を切り裂く雷撃!
 ハデスのそれ以上の抵抗も、行動も、・・・思考すらも許しはしない!

あっという間にハデスの透過能力は解除され、
無数の紫電がハデスのカラダを貪り尽くしてゆくっ!
 「グババババッバババアババッ!!」

スサたち一同、ここまで言葉一つ発することはできなかった・・・。
ようやく・・・彼らが現状を認識できた時、
それは、・・・冥界の王ハデスが大地に崩れ落ちると同時であり、
そこで初めて、凍りついていた時間が再び時を刻み始めたのだ。
 「タ・・・タケル・・・勝ちやがった?」
酒田のおっさんが半信半疑で口を綻ばす。
無理もない。
さっきまで、あまりにも常軌を逸した光景が繰り広げられていたのだから・・・。
当のタケルは、
一歩、そしてまた一歩、岩場を登り、
眼下のハデスの姿を確認する。
・・・これも酷いな・・・、
先程のクラトスに負けず劣らずボロボロだ・・・。
だが、避雷針の効果はあったか、まだ・・・生きてはいるのか・・・。