妖しき歓待者 5
これ以上は、モイラを詰問しても仕方ないのだろう、
ゼウスは現状認識を先に行うべきと判断する。
「では、『現在を視るモイラ』よ、
今、アトランティスの末裔どもはどこにいる?
そろそろアグレイアの町に辿り着いたころか?」
それまで姉の陰で緊張していた二人目のモイラの出番である。
いきなり自分を指名されて、慌ててスサの一団の動きを確認し始める・・・。
「恐れながらゼウス様、
まだ彼らはアグレイア様の町には着いておりません・・・。
ただ、このままでは時間の問題ですね・・・。
正午を回るころには辿り着くことでしょう。」
「そうか、あの温厚な老婆のことだ、
これまでの奴らの行動パターンから見ても、
一晩ほど宿泊したら、このピュロスに向かうは必定・・・。
私も舞台を整えねばなるまい・・・な。」
その時である。
ゼウスの応答に反応したのではなさそうだが、
この「現在を視るモイラ」の様子が少しおかしい・・・。
「・・・?
どうした、モイラよ、何か違和感を感じ取ったのか?」
「は・・・はい、あ、あの・・・、視えなくなりました・・・。」
さしものゼウスも呆気に取られる。
「何を言っている? お前まで・・・。
こないだのタナトスの戦いを視ようとしてから、調子が戻っていないのではないか?」
「い、いえ、申し訳ありませんが、そのような事ではありません・・・。
光の女神アグレイア様のおわす神殿一帯が、
私の感知能力で見通すことが出来なくなってしまったのです・・・!
他は正常です、
まるで、あの町だけに結界でも張られてしまったとしか考えられませんっ・・・!」
今度は何が起きている?
ポセイドンとの戦いには絶対の自信を持つゼウスだったが、
ここに来て数々の謎や奇妙な報告を幾つも受けるに至り、
妙な胸騒ぎを起こし始めた・・・。
「いったい・・・何が起ころうとしているのだ・・・。」
まだ彼らはアグレイア様の町には着いておりません・・・。
ただ、このままでは時間の問題ですね・・・。
正午を回るころには辿り着くことでしょう。」
「そうか、あの温厚な老婆のことだ、
これまでの奴らの行動パターンから見ても、
一晩ほど宿泊したら、このピュロスに向かうは必定・・・。
私も舞台を整えねばなるまい・・・な。」
その時である。
ゼウスの応答に反応したのではなさそうだが、
この「現在を視るモイラ」の様子が少しおかしい・・・。
「・・・?
どうした、モイラよ、何か違和感を感じ取ったのか?」
「は・・・はい、あ、あの・・・、視えなくなりました・・・。」
さしものゼウスも呆気に取られる。
「何を言っている? お前まで・・・。
こないだのタナトスの戦いを視ようとしてから、調子が戻っていないのではないか?」
「い、いえ、申し訳ありませんが、そのような事ではありません・・・。
光の女神アグレイア様のおわす神殿一帯が、
私の感知能力で見通すことが出来なくなってしまったのです・・・!
他は正常です、
まるで、あの町だけに結界でも張られてしまったとしか考えられませんっ・・・!」
今度は何が起きている?
ポセイドンとの戦いには絶対の自信を持つゼウスだったが、
ここに来て数々の謎や奇妙な報告を幾つも受けるに至り、
妙な胸騒ぎを起こし始めた・・・。
「いったい・・・何が起ころうとしているのだ・・・。」