Lady Merry の日記

Yahooブログから引っ越してきました。

ゼウスとポセイドン 16

 
先に口を開いたのはサルペドンだ。
 「・・・懐かしい・・・、
 本当に懐かしい顔だ。
 少し老けたのではないか?
 かつての記憶通りなら、もう少し引き締まっていたカラダだったはずだが・・・、
 玉座の座りごごちに、怠け癖でもついたのではないか?」
ゼウスは自分の腕に止まっていた鷲達を、今一度大空に羽ばたかせると、
やがて鷲は遥か上方の、ゼウス神殿に向けて帰っていく。
そしてようやく、ゼウスはサルペドンの問いかけに機嫌よく、笑い始めたのだ。
 「ふ、フッハッハッハッハハハ!
 そういうお前はやつれたな、
 昔はもっと瑞々しい肌をしていたぞ??
 なにかと苦労していたのだなぁ?
 懐かしいのは私も一緒だ!
 だが今度はもう、片目では済まぬ。
 わざわざ・・・この私に引導を渡されに来たのか、
 それとも自らの死に場所はやはり、生まれ育ったこの地がふさわしいと考えたのか?
 安心しろ!
 盛大な墓標を立ててやろう、
 この私に逆らった愚行を存分に記してな!!」

 「ほざけ・・・!」
サルペドンが両手を広げ槍を構える!
普通の戦闘なら、そのまま一本の槍を相手に向けるところだろうが、
今、彼が手にしている槍はあくまでも避雷針だ。
サルペドンは先手必勝とばかりに、その巨大なサイキックエネルギーを開放する!!
 
 ゴゴゴゴゴゴゴゴッ・・・
大地が波打ち始めた!
 「う・・・うわっ!」
話には聞いていたが、タケルの目前でその能力が発現するのは初めてとなる。
いいや、かつて騎士団との最終決戦では酒田もクリシュナも目撃はしている。
だが・・・これは・・・あの時よりも更に巨大な・・・!