Lady Merry の日記

Yahooブログから引っ越してきました。

地獄の扉が開く時 7

 
 「モイラよ、端的に言ってもらおうか?
 これ以上、何が我らを待ち構えているのだ?
 オリオン神群との戦いが終わった今、何が我らの脅威となるのか?」
半ば強引にサルペドンは話の筋を誘導する。
地上には騎士団の最精鋭たちが未だ残っている。
彼らに全てを任せているはずだが、
再び彼らが心変わりしたとでも言うのだろうか?
すると、
ゼウスの背後に控えていた盲目の女神のうち一人、
末妹のモイラが立ち上がる。
 「過去を識るモイラでございます、大地を揺する御神、ポセイドン様、
 今のご質問に対し、私が視たことをお話させていただきます。
 あなた方・・・スサと仰るあなた方が、
 この地下世界に下りてきた後も、地上では多くの戦火が途切れることは有りませんでした。
 あなた方が以前、戦ったという・・・騎士団というのですか?
 彼らが懸命に大きな混乱を鎮めようとはしていたようですが、
 地上はあまりにも広大すぎたのでしょう、
 それは焼け石に水を浴びせる程度のもの・・・。
 そして、
 あれは・・・この地下世界、及び地上をも途方も無い大地の揺らぎが起こったとき・・・、
 あなた方が『嘆きの荒野』の辺りにいらっしゃった時でしょう、
 地上の海に面した地域では、想像を絶する規模の津波が起こり、
 大勢の犠牲者と、更なる悲劇の混乱を産み出しました・・・。
 その後、地上の最も広大な大陸の一部から、
 禍々しい程の強さと残虐さを持った軍団が、
 地上世界を席巻し始めたのです・・・。」
マリアやサルペドンのショックは計り知れない・・・。
サルペドンは何度か、自らの大地を揺する能力を使用した。
勿論、彼は自分の能力の凶悪なる側面も理解しているので、
地上に影響を及ぼすだけの能力は使うまいと、コントロールしたつもりではいる。
そう、地上に被害が及ぶような地震を起こしたのは自分ではない。
あの時だ・・・、
タケルがタナトスに生命力を奪われた時・・・、
あの時、何者かが起こした、ポセイドンをも遙かに凌ぐ超絶サイキック・・・。