Lady Merry の日記

Yahooブログから引っ越してきました。

地獄の扉が開く時 12

 
基本的に、
オリオン神群側としては、地上がどうなろうと一切知ったこっちゃない。
今や屈辱感すら覚えるスサのメンバーやサルペドンに、
この地に滞留されること自体、苦々しいだけである。
特にゼウスは。

 「それで・・・地上の者どもよ、
 ポセイドンよ、
 貴様たちはこれよりどうするのだ?
 我々は情報を与えた。
 後は貴様達次第だ。」
そんな事、言われたって・・・、
いきなり・・・。
あ・・・サルペドンやマリアさんがこっち見てるっ。
 「ま・・・まずは地上に戻るさっ!
 それで地上に残ってる仲間と合流して・・・、
 騎士団とも協力できそうなら・・・、
 そっ、それでいいだろ、サルペドン?
 今じゃ情報が少なすぎる・・・。」

タケルの態度は自信なさげで頼りないが、言う事は間違っちゃいない。
ここは全員の意思を確認するだけでいいだろう。
そしてゼウスもその答えに満足したようである。
 「わかった・・・、
 それでは貴様達に戦利品代わりと言っては何だが、
 もう少し情報を与えてやろう、
 現在を見通すモイラよ、
 奴らの今の本拠地を教えてやれ。
 地上の技術では到底探知不可能なことを、今この場で示すのだ。」
正直、地上のことなどどうでもいいが、
ゼウスの心中としては、やられっぱなしで酷く自尊心が傷ついている。
多少なりともスサに恩を売ったり、優位性を示すことで、
せめてもの代償行為にしたいようだ。