Lady Merry の日記

Yahooブログから引っ越してきました。

Ladyメリーの物語95・96

                                      
その光景は、
誰にも気づかれず、誰にも見られず、誰にも認識されず行われた。
上空の彼方から、
人間の肉眼には不可知の光が降り注ぎ、
河川敷にいた、一人の少年の体を取り囲んでいった。
                                               
すると、抵抗すら出来ない少年の体はゆっくりと宙に舞い、
まるで定められた自然な現象であるかのように、
上空へ・・・、雲の隙間へと呑み込まれていったのだ・・・。
                                    
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しばらくすると、
街の停電は復旧し始め、動物達も大人しくなった・・・。
斐山家では、この晩、
一人息子は帰ってこなかったが、
この家族にしてみればいつものことで、とりたてて騒ぐことのものでもない。
いつの間にか、家に帰ってきて、
明日の朝は、また、黙って学校に行ってしまうのだろう。
いつもと同じだ・・・。
                                        
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