Lady Merry の日記

Yahooブログから引っ越してきました。

南の島のメリーさん達 それから3

 
 「カーリー様・・・もう全部、マルコが悪いってことで・・・。」
 「そうですね、まったくその通りです、
 帰ったら、きつく叱ってもらいましょう・・・。」
後ろでマルコがばつの悪そうな顔をしている。
自業自得だ。
彼らの打ち合わせは、比較的早く終わった。
カーリーは再び、ローズ達の元へやってきた。
ローズは待ちきれないように叫ぶ。
 「・・・先生! シェリーやナターシャは!? 他の人たちは!?」
ローズの目は、真っ直ぐカーリーの黒く大きい瞳を見つめている。
しばらくカーリーは、ローズの目を瞬きもせず受け止めていたが、
悲しそうに首を横に振った。
 「・・・残念ながら他の人たちは・・・。
 ナターシャも奮戦しましたが、よりにもよって騎士団で最強といわれる男に向かって行って・・・。
 シェリーは捕まって拘束された模様です・・・。」
 「う、嘘っ! ナターシャが!? ・・・シェリーは助けられないの!?」
 「・・・ローズ、初日からの私たちの対応を思い出して御覧なさい?
 悲しいけど、メリーになる資格のない者には、私たちは手を差し伸べません。
 ・・・それにシェリーなら心配いらないわ。
 あの子なら、騎士団に逆らう事はしないでしょう・・・。
 恐らくしばらく尋問されるでしょうけど、命の危険はないわ。」
メィリィは再び泣き出しそうなローズの肩をつかんでやる。
メィリィにしても、別にこの短い期間、彼女達を本当の仲間と認識してたわけではない。
ローズだって「残酷さが大事」とまで言ってたではないか。
感傷的になる必要はない・・・。
・・・判っている・・・判ってはいるが、ナターシャや他の受講生の死ぬ間際の無念さを考えると、
熱い物がこみ上げてくる。
割り切るんだ・・・、
強い心を手に入れなければ・・・。