Lady Merry の日記

Yahooブログから引っ越してきました。

南の島のメリーさん達 それから8

 
 ラブゥもメィリィも・・・、そして当然ローズも真剣にカーリーの話を聞いていた。
彼女たちは全員、『あざみ』の生き方に共通する物を持っていたのである。
人種差別・・・貧困・・・民族浄化・・・、居場所を奪われる悲しみ・・・。
そしてさらに・・・この話をしているカーリーこそ・・・、
神話において、栄光の座を奪われた、人間達の本当の「神」のために働いているのだ・・・、
もっとも・・・「それ」が本当に神と呼べる者なのかどうかはまた別の話である・・・。
 「あらあら、重い話になっちゃいましたね?
 でも、あなた方が会う確率は極端に低いですから、そう気にされなくてもよろしいと思いますよ?
 バッティングすることなど、まずありませんから。
 ・・・けれどローズ、あなただけは他人事ではないでしょう、
 今日明日でなくて構いません、次に会うときまで・・・
 あなたは彼女と真剣に戦う覚悟と力を創り上げるのです!」
 「・・・はい、・・・わかりました。
 『花はあるがままに咲くから・・・美しい』・・・あの人はそう言ってた・・・。」
 「そうよ、ローズ、でもあなたはまだつぼみにもなってないわ、
 焦らず、じっくり自分を見つめるのよ・・・!」
 「・・・はい!」
カーリーは、ようやく自分がローズの武器を握りっぱなしだったのに気づいて、
申し訳なさそうに返却する。
 「ごめんなさい、私としたことが熱中しちゃって・・・!
 でも、よく、これだけで『あざみ』と渡り合ったわね?」
 「あっ? うん、でもあと秘密兵器も使ったよ?」
 「秘密兵器?」
 「そう、ネット友達のマーゴって人に作ってもらったの、チカン撃退スプレー!」
明るく、例のスプレー缶を取り出したローズと反対に、
カーリーは『マーゴ』という名前に著しく反応した・・・。
 (マーゴ・・・? まさか!?)
恐る恐るローズからスプレー缶を受け取ると、
カーリーは反射的に霊能力サイコメトリーを駆使して、付随情報を読み取ろうとした。
  ・・・!