Lady Merry の日記

Yahooブログから引っ越してきました。

赤ずきんちゃん

 
 「もしもし? お嬢ちゃん、この先はおっかない森だよ?
 いったいどこに行く気だい?」
鉄砲をかついだ猟師は、小柄で可愛い女の子に尋ねました。
女の子は背中に荷物を背負って、手には小ぶりの筒をぶらさげています。
 「わたしはメリーです。
 これから森のおばあさんのところへ、暖かいスープを届けるところです。」
 「ええ? ここから先はかなり危ないよ? 森には狼も出るし・・・。」
 「だいじょーぶです。いつも通ってますから!
 おじさんは猟師さん?」
 「ああ、最近人を襲う狼が出たって言うから、時々警戒してるんだ、
 ・・・もしよかったら、おばあさんのとこまでついてってあげようか?」
 「ありがとうございます、
 でもパパやママから知らない人にはついていくなと、言われてますのでこれで失礼します。」
猟師は心配そうに言いました。
 「そうかい、それじゃ仕方ないな、遅くならないうちに帰るんだよ。」
猟師と別れたメリーは、歌を歌いながら森の奥深くヘと進みます。
 「あっ! 野いちご、おいしそう! あばあさんきっと喜ぶわ!」
 「ねぇ、小鳥さん? お歌をうたって? まだおばあさんちは遠いのよ。」
メリーは時々道草を食いますが、お昼過ぎにはおばあさんの家の近くまでたどり着けました。

そんな大きな家ではありませんでしたが、おばあさんの家には小さな門と庭があります。
あまり手入れをされていないのか、門にはつたが絡まり、庭には雑草がぼうぼうです。
メリーが門をくぐると、家の中から大きな声が聞こえました。
 「誰か来たのかい? そこにいるのは誰だい!?」
 「おばあさん! あたしです、メリーです。
 あたたかいスープを届けに来たのよ!!」
おばあさんは嬉しそうに返事をしました。
 「・・・ぁあ! メリーかい、 待ってたよ、早くスープを持って来ておくれ!!」
このとき、メリーは不思議な感じがしました。
・・・おばあさん、やけに元気みたい・・・。
 「何してるんだい? 早くこっちに来ておくれ!?」
 「は・・・はい、只今! メリーは今、玄関の前です!!」