Lady Merry の日記

Yahooブログから引っ越してきました。

Lady メリーと異教の騎士28

 
 「ああ、や、やっぱり高いんですね・・・?」
ハロルドはモーリンの顔色をうかがう。
 高くはないぞ、十分、安心お任せコースだ。
・・・とはいっても、やはり低所得者には、探偵なんかに金を使う余裕は確かにあるまい。
 「・・・いやいやいやぁ、ご安心を!
 勿論ローンも組めますし、
 トラブルがあった場合には、確かに追加料金が発生しますが、
 内容次第では、その費用を相手方から(オレが勝手に)徴収することもアリです!
 ・・・とりあえず、息子さんが何か他人に損害を与えた場合には、
 それこそ巨額の賠償金や慰謝料を請求されることもありますよ?
 それを考えたら、ひっじょーに経済的です!」
舌は滑らかに廻る。
何分、これを逃すと、次ぎはいつ依頼が来るかわかったもんじゃない。
騎士団と人形の厄介な依頼はあるが、
できれば、正規の活動で報酬を得る身分でいたい。
例え小額でも、実績を作れば、口コミや対外的な宣伝になるからだ。

 「そ・・・そうですよね、で、では是非お願いする方向で・・・。
 あ、後は私はどうすれば・・・?」
 「ええ、後は見積もりを出すのにもう少し具体的な情報を・・・。
 あ、こちらに記入していただけますか?
 えーと、まずご住所と、・・・息子さんのハイスクールの名前も・・・、はい、
 そこに・・・。」
モーリンは言われるままに、考え事や書類の文面を確かめながらペンを滑らせた。
慣れてくると、喋りながら会話も出来るようになった。
 「あ、あの、ミスター?」
 「はい?」
 「今、私の話からでも・・・何か考えられる原因とかはありますか?」