Lady Merry の日記

Yahooブログから引っ越してきました。

Lady メリーと異教の騎士33

 
 『だから、わからないと言ってるでしょう?
 そのリジー・ボーデンと関係があるかもわからないの。
 それより、リジー・ボーデンについては何が分ったの?
 私には、彼女がかつて父親と母親を斧で惨殺したと言う事だけしか知らないの・・・。』
 「・・・はぁぁ、やれやれだ、
 で、調べたって言っても、別にそこらへんに転がってる情報だぜ?」
 『まずはそこからでも結構よ・・・。』
 「ああ、まずな、
 彼女が生まれたのは、ここから近いマサチューセッツ州の資産家の家だ。
 およそ100年以上前だ。
 彼女の父親、アンドリューは再婚して、アビーという女性がリジーの母親になった。
 家庭はうまくいっていなかったと言われている。
 で、リジーが33歳の時、その凶行が行われた・・・、
 だが。」
 『だが?』
 「証拠不十分で無罪、
 彼女はそのまま親の財産を相続して、その後30年間優雅に暮らしましたとさ。」

そこまでの説明の後、しばらく沈黙の時間が続いたが、
ハロルドがメリーの反応を確かめようとした時、
携帯から彼女の奇妙な反応があった。
 『・・・その後30年間?』
 「ああ? それがどうした?」

腑に落ちない・・・。
無罪になった事に関してはどうでもいいが、
あれだけの凶行の後に、30年も生き永らえて、
その凶悪な想念を留めおくことができるのだろうか?
以前、ヤギ声の男が麻衣達を襲った時も、
麻衣はリジーの悪想念を、死んだ時のエネルギーが堆積したものと判断していた。
そしてそれは、普通に考えれば百合子も同じ判断をする。