Lady Merry の日記

Yahooブログから引っ越してきました。

青い瞳が浮かぶ幽霊

 
  11.
 
 フラアは舌を出して笑ってみせる。
 「あたしはフラアよ、お嬢ちゃんは?」
女の子はしばらく黙っていたが、そのうちフラアの笑顔に安心し始めたのか、
ようやく口を開いた。
 「・・・あたし、リサ・・・。」
よっしゃー!
 「リサちゃんね? 可愛い名前!
 あたしと似てる人を知ってるの?」
その言葉に、またリサは怖がるそぶりを見せたが、ゆっくりとフラアを見つめて言葉をつむぐ。
 「・・・夜、怖いものを見たの・・・。
 透けてるの・・・、
 透けてる人が窓の外をスーぅって・・・。」

一瞬フラアは言葉を失う。
周りの子供達が囃し立てる。
 「まーたリサが変な事言い出したぁ、
 フラア様、こいついつもこんなんなんだ。
 先生にいっつも注意されるのに、誰かの声を聞いたとか、幽霊見たりとか!」
 「だって、みたんだもの!」
確かに子供のうちでないと許されないセリフだ。
大人だったら、修道女でもないとかなり危険な発言だ。
だが、それよりその・・・透ける人というのは・・・。
 「ね、ねぇリサちゃん? その透ける人ってあたしに似てるの・・・?」
やむなく声を小さくして聞きなおした。
 まさか・・・嫌な予感がする。
リサはしばらくフラアをじっと見て、その内、ゆっくりとフラアの質問に答えた・・・。

 「お顔は似てる・・・けど・・・」
 「けど?」
 「あの女の人は宝石みたいな青い目だった・・・。
 目だけが色があるの・・・。
 でも、背格好とか、髪の長さとかもそっくり・・・。」