大陸戦争の果てに・・・
14.
ウィグルの遥か西方に、
「神に愛された国」宗教国家アルヒズリという砂漠の国がある。
今までしばしば「大陸戦争」という名前が出てきたはずだが、
その大きな戦の戦場となったのは、そのアルヒズリである。
ただ、何故ここで戦が起きたのか、それがどんな争いであったのかは、
また話が長くなるのでここでは省略する。
砂漠の国と言っても、アリヒズリには各所に点在するオアシスや、大きな河川のおかげで、
豊かな農産物や、交易による豊かな財政を誇っていた。
ところが、北の山岳地帯の向こうから、凶暴な騎馬民族イルがしばしば侵略を繰り返し、
町は多くの被害を出していた。
「大陸戦争」の間、このアルヒズリの地に、
イル族、ウィグル、九鬼、イヅヌが二手に分かれて争った結果、
敗れた九鬼とイルは多大な被害をこうむった。
今現在では、戦力を失ったイルは都市部を攻撃する力はほとんどない。
せいぜい山賊まがいの行為しかできないだろう。
ウィグルと同盟していたアルヒズリの民からは、イルは蛇蝎のように忌み嫌われていたが、
ある時、ふとした事がきっかけで、フラア率いるウィグル軍の一隊と、
イルの隊列からはぐれ、水も食料も失ったこのアルベドが出会うことになった。
既に戦意を喪失していたアルベドに、フラアの腹心の隊長が水と食料を与えた事から、
この男のこの後の運命が決まったのかもしれない。
戦争が終わって、イルの戦士達は身も心もボロボロになっていた。
誇り高いアルベドはそんな仲間の姿に失望したのである。
彼は故郷を捨て、東へ愛馬を走らせた。
ウィグルに住み着こうなんて思っていたわけではない。
かつて自分の命を救ってくれた将兵に、何か恩義に報えないかと考えてただけである。
・・・ところが、その将兵はウィグル帰還後、ある戦闘で命を失っていた・・・。
目的を失ったアルベドは、
已む無くその将兵が忠誠を尽くしていた皇女フラアに仕える事になったのである。
当のフラアも最初はどうするべきか、さすがに悩んだが、
自分の命令に絶対従う事、ウィグルの法令を遵守することを条件に彼を迎え入れた。
「神に愛された国」宗教国家アルヒズリという砂漠の国がある。
今までしばしば「大陸戦争」という名前が出てきたはずだが、
その大きな戦の戦場となったのは、そのアルヒズリである。
ただ、何故ここで戦が起きたのか、それがどんな争いであったのかは、
また話が長くなるのでここでは省略する。
砂漠の国と言っても、アリヒズリには各所に点在するオアシスや、大きな河川のおかげで、
豊かな農産物や、交易による豊かな財政を誇っていた。
ところが、北の山岳地帯の向こうから、凶暴な騎馬民族イルがしばしば侵略を繰り返し、
町は多くの被害を出していた。
「大陸戦争」の間、このアルヒズリの地に、
イル族、ウィグル、九鬼、イヅヌが二手に分かれて争った結果、
敗れた九鬼とイルは多大な被害をこうむった。
今現在では、戦力を失ったイルは都市部を攻撃する力はほとんどない。
せいぜい山賊まがいの行為しかできないだろう。
ウィグルと同盟していたアルヒズリの民からは、イルは蛇蝎のように忌み嫌われていたが、
ある時、ふとした事がきっかけで、フラア率いるウィグル軍の一隊と、
イルの隊列からはぐれ、水も食料も失ったこのアルベドが出会うことになった。
既に戦意を喪失していたアルベドに、フラアの腹心の隊長が水と食料を与えた事から、
この男のこの後の運命が決まったのかもしれない。
戦争が終わって、イルの戦士達は身も心もボロボロになっていた。
誇り高いアルベドはそんな仲間の姿に失望したのである。
彼は故郷を捨て、東へ愛馬を走らせた。
ウィグルに住み着こうなんて思っていたわけではない。
かつて自分の命を救ってくれた将兵に、何か恩義に報えないかと考えてただけである。
・・・ところが、その将兵はウィグル帰還後、ある戦闘で命を失っていた・・・。
目的を失ったアルベドは、
已む無くその将兵が忠誠を尽くしていた皇女フラアに仕える事になったのである。
当のフラアも最初はどうするべきか、さすがに悩んだが、
自分の命令に絶対従う事、ウィグルの法令を遵守することを条件に彼を迎え入れた。
・・・もう、お互い完全に慣れてしまったようだが。