Lady Merry の日記

Yahooブログから引っ越してきました。

甦る記憶

  
14.

 ルシファーの話は続く。
 「・・・だが、戦いはそこで終わらなかった・・・。」
 「えっ!?」
 「デミゴッドとの争いの最中、
 彼らの頭目の一人、エクトーラという女性が子供を生んだ。
 その娘はラヴィニヤと名づけられ、
 生き延びたエクトーラの配下によって育てられた・・・。」
 「ラヴィニヤ・・・後のカラドックの妃になる・・・」
 「そう、ラヴィニヤにはデミゴッド頭目の二人の血が流れている、
 そしてその血は・・・、
 ウィグル王家と交わり、この時代にまで・・・。」

ランディはただ驚く。
だが、それがどのような意味を持つか、まだわからない。
ルシファーはそれを踏まえたうえで話を続けた。
 「デミゴッドの頭目達は、その遺伝子異常の影響からかどうかは不明だが、
 その外見同様、人間とは思えない能力を持っていた。
 ・・・そして、彼らが意図していたのかどうか、これも不明だが、
 その血は・・・遺伝子は今のウィグル王家の血を伝える者に、
 色濃く発現してしまったのさ・・・。
 「そ・・・
 それは・・・フラア・ネフティスやアイザス王に・・・という事ですか!?」
 「いや、正確にはその従兄弟、だね・・・。
 ウィグル王宮でも知らないことだろうが、
 フラアやアイザスの叔母に当たる女性が、かつて九鬼帝国に拉致された。
 その彼女が生んだ子供の内、
 二人が・・・デミゴッドの頭目の遺伝子を色濃く引き継いでしまったんだ・・・。
 彼らの前世の記憶を覚えているほど濃くね・・・。」

ランディは視線をずらせた・・・。
今の話は、どこかで聞いた事がある気がする・・・、どこで?
いや、自分は知っている・・・
遭遇してしまった事が・・・ある・・・、
かつて、あの・・・大陸戦争の真っ最中に!!