Lady Merry の日記

Yahooブログから引っ越してきました。

語られない物語その・・・3桁めぐらいの4

 
 「見逃してくれ?
 ・・・そうやってお前はターゲットを見逃してやったことがあるのか・・・?」
 「あら、ひどぉい・・・、これでも獲物は選んできたつもりよ?  
 子供には手を出さないし、あなたの言うとおり、一人でこの戦乱を生き抜くのは大変なの。
 寂しいのよ? いろいろと・・・。
 ねぇ? あなたさえよければ、しばらく一緒にいない?
 あなたみたいな人とは・・・初めて会ったわ・・・。」

あざみはそのまま自らの頬を、男の腕になぞらせる。
 ・・・食べてみたい。
この硬い腕に自分の研ぎ澄まされた牙は突き立つだろうか?
いま、あざみの胸中には耐え難い二つの葛藤が渦を巻いていた・・・。
まず、本能としての食欲がある。
だが、食べてしまえば、その人間の命はそこで終わる。
二度とその人間が動くことはない・・・。
だが、自分がその行為を行っても死なない人間がいたら・・・?
自分の食肉の行為を、許してくれる男がいたのなら・・・?
いや、実際必ずしも食べる必要はないのだ、
男のカラダに牙をつきたて、
舌を這わせ、
唾液で濡らし、
顎を何度も上下させ、
噛み付くという擬似行為だけで、ある程度、あざみの欲求は解消される。
だが、それすらも普通の男は耐えられない。

 もしかしたら、この男なら・・・!?

男の回答を促すように、あざみは自分のカラダを男にこすりつける・・・。
それは、求愛行動と言い換えても差し支えない・・・。
まるで猫がじゃれつくように、あざみは男のカラダに絡み始めた・・・。
一方、男のほうも、女性そのものは嫌いでもなく、
このあざみの耐え難い誘惑に心を乱しかけるが・・・、
彼は強い自制心であざみの腕を払う。

 あん・・・。