Lady Merry の日記

Yahooブログから引っ越してきました。

食人メリーあざみちゃん

語られない物語その・・・3桁めぐらいの12

「違う。考えてみろ、 『ヤツ』を殺すチャンス? そんなものはいつでもあっただろう? もう、お前も私の真意に気づき始めているだろう? 全ては、『ヤツ』を甦らせるためだ・・・、 紋章? 天叢雲剣? それらは、ヤツの能力を発現させるきっかけにあるような…

語られない物語その・・・3桁めぐらいの11

ルードヴィッヒは自問するかのように答えを返す・・・。 「天叢雲剣と、それを振るうための『紋章』は、 『ヤツ』にとって最愛の肉親・美香の形見だ・・・。 例え一時でも、それを『ヤツ』が手放すだろうか?」 「ではルードヴィッヒ様は、『ヤツ』とヒミコ…

語られない物語その・・・3桁めぐらいの10

「・・・ということなのですが・・・ルードヴィッヒ様。」 地下王国シャンバラの暗い宮殿・・・。 華やかな装飾が壁や天井に彩られているが、 照明が薄暗いために、その全貌は肉眼では捉えにくい・・・。 今、ネロの眼前には、黒十字団・・・いや、 黒十字軍…

語られない物語その・・・3桁めぐらいの9

ネロは受け取った資料とモニターを見比べる。 いくつか画面を操作している内に・・・ 「こ、・・・この鎧は・・・まさかこれは『ルドラの鎧』か!? 現代科学では解析できない金属によって作られたという・・・。 おい! 戦闘では銃弾は?」 「え・・・えと…

語られない物語その・・・3桁めぐらいの8

ここはヒマラヤ山脈の麓、地下王国シャンバラ・・・。 だが、いまやその住人は姿を消し、 ルードヴィッヒ率いる黒十字軍がその広大な都市を占拠していた。 そして、施設中央付近にあるその管制室・・・。 「ネロ様!」 白いシャツに袖を通したネロは、部下の…

語られない物語その・・・3桁めぐらいの7

あざみはもう一度、名残惜しそうに男にしがみついた。 「うふふ、だいじょうぶ、 私のは遺伝的なものだから、うつりはしないわ? あなたと子供でも作って、・・・その子供が、というなら、分らないけど・・・。」 「そ、そうか・・・、ならいい、さっさと行…

語られない物語その・・・3桁めぐらいの6

「はぁい、・・・でもお願いがあるの?」 「なんだ?」 「あなたの腕でいいわ、一噛みさせて?」 と言うが早いか、あざみは男の鎧から露出している二の腕にかぷりついた。 まだ牙は立ててない。 男も「あっ! てめぇ、こんにゃろ!」と思ったが、口には出さ…

語られない物語その・・・3桁めぐらいの5

「悪いが・・・オレにはやることがある。」 あざみは不満そうに男をにらむ。 「私って魅力ない?」 「・・・違う! オレはこの闘いを終わらせに来てるんだ・・・、お前の目的は違うだろ!?」 「終わらせに・・・ですって? もう、この世界は崩れ始めたわ? …

語られない物語その・・・3桁めぐらいの4

「見逃してくれ? ・・・そうやってお前はターゲットを見逃してやったことがあるのか・・・?」 「あら、ひどぉい・・・、これでも獲物は選んできたつもりよ? 子供には手を出さないし、あなたの言うとおり、一人でこの戦乱を生き抜くのは大変なの。 寂しい…

語られない物語その・・・3桁めぐらいの3

あざみは自分の目を疑った・・・! いや、目の錯覚だったのだろうか? 振り返った男の瞳が、 黄金色(きんいろ)に輝いていたからだ・・・。 いや、・・・そんなことはない・・・普通の黒い瞳だ・・・。 何故、そんな風に見えたのか? あざみは動揺を隠しな…

語られない物語その・・・3桁めぐらいの2

「きゃあっ!?」 第三者がこの光景を見ていたら、 突然の、この事態の変化を理解できたであろうか? 斑の馬の背中に突然、黒ずくめの長い髪の女性が現われ・・・ そして更には、鎧の男の手にしていた三叉の槍が、 その長い髪の女性の眼前に突きつけられてい…

語られない物語その・・・3桁めぐらいの1

ガサッ・・・ガサッ・・・、 馬が歩みを進めるごとに、カラダに枝葉がまとわりついてくる・・・、 密林・・・、 そこに、まだら模様の薄気味悪い馬が一人の兵士を乗せている・・・。 黒い・・・黒光りする鎧を身につけて。 兵士という割にはその鎧は立派過ぎるし…

あざみの晩餐 六食目

私メリーさん 今日は休日、お掃除しなきゃ・・・、 どこから手をつけよう? お風呂場は血のりや脳漿で、壁とかべとべとだし・・・、 部屋の中は頭や手足が散らばってるし・・・。 食べるにしてもそろそろ鮮度がねぇ? 冷蔵庫は・・・ ダメだ、 内臓でいっぱ…

あざみの晩餐 五食目の2

あら? 思った以上に立派な家だわ? 掃除も行き届いてるし・・・。 え? 食べられないもの? ・・・気を遣わないでいいわ。 健康ならそれでいいから・・・。 ううん、何でもない・・・。 うふふ? お料理の手伝いしましょうか? のぞいていい? お魚料理なん…

あざみの晩餐 五食目

もしもし、私、メリーさん、・・・後ろを見て・・・。 うふふ、そんなに驚かなくてもいいわ? ・・・え? いやだわ、人違いよ、私は商売であなたに声をかけたんじゃあないわ・・・。 なにしろ、作者にも忘れられてるぐらいだから・・・ううん、こっちのこと…

あざみの晩餐 四食目

もしもし、私メリーさん、また首が一つ増えたわ、 もしもし、私メリーさん、ここには、もう足の踏み場もないの、 もしもし、私メリーさん、骨はきれいに抜き取ったから、お顔は小さくなってるのだけど・・・、 もしもし、私メリーさん、見て、さくらの花がほ…

あざみの晩餐 三食目

もしもし、私メリーさん、今あなたの部屋の前にいるわ、 まだ泣く元気はあるのね? もしもし、私メリーさん、助けを呼んでも無駄だってば、 足、一本じゃ抵抗もできないよね? もしもし、私メリーさん、今食事中よ、バリバリ・・・、 まぁ、まるでダルマみた…

あざみの晩餐 二食目

もしもし、私メリーさん、今あなたの家の中にいるの。 もしもし、私メリーさん、今あなたの部屋の天井にいるの。 もしもし、私メリーさん、今食事中よ・・・、 見ててもいいから騒がないで、・・・バリバリ、 あー、おいしかった。 今日は右腕をもらったわ、…

あざみの晩餐 一食目

・・・わたし、メリーさん、今、あなたの家の前にいるの、 わたし、メリーさん、今、あなたの後ろにいるの。 わたし、メリーさん、・・・今、食事をしているの・・・バリバリ、 わたし、メリーさん、今、おかたづけをしているの・・・、 頭は・・・、あんま…