Lady Merry の日記

Yahooブログから引っ越してきました。

語られない物語その・・・3桁めぐらいの7

 
あざみはもう一度、名残惜しそうに男にしがみついた。
 「うふふ、だいじょうぶ、
 私のは遺伝的なものだから、うつりはしないわ?
 あなたと子供でも作って、・・・その子供が、というなら、分らないけど・・・。」
 「そ、そうか・・・、ならいい、さっさと行け・・・!」
 「まぁ冷たい、・・・でもいいわ、あなたは私を拒絶しなかったものね?
 すっごい嬉しかった・・・。
 また、会えるといいわ、
 ねぇ? あなたお名前は?」

男は名前を聞かれ、少々戸惑ったようだ・・・。
自分の名前を答えられないのだろうか?
あざみは首を曲げ、「ねーぇ?」とでも言うように腕を二、三回引っ張る。
そのうち男は、意を決したように、あざみの目を直視して口を開いた・・・。

 「・・・アスラ・・・、そうだな? アスラと名乗ることにしよう。」
 「あらぁ? 本名じゃないのぉ? でも、いいわ?
 私はあざみ・・・っていうの、覚えていてね?
 うふふ、じゃあ、さよならっ・・・。」

その時、強い風が吹いた・・・砂埃で男が目を細めたとき、
いつの間にか、あざみは姿を消していた・・・。
男は辺りを見回し・・・誰も辺りにいなくなったことを確認すると、
再び、斑の馬を歩かせ始めた。
 「シャルバリー・・・、行こう・・・、
 待っていろヒミコ・・・! 貴様はオレが殺すッ!」

行き先は・・・黒十字軍とヤマタイ軍が激突する、血みどろの合戦場・・・!