Lady Merry の日記

Yahooブログから引っ越してきました。

Lady メリーと異教の騎士 39

 
学生達はハロルドの顔を見て、笑い顔をこらえられないらしい、
二人ほどの女の子がクスクス笑い始めた。
 ・・・やべ・・・「弟」ってのはムリあったか・・・、
 若くは見えると思ったんだがな?
少し間があってから、苦笑いを浮かべた最初の男の子が口を開いた。
 「弟さんですか?
 ハハ、いい学校ですよ、
 もし、弟さんがこの学校に入られて、何かスポーツするんでしたら、
 僕のクラブにどうぞ、と言っておいてください。」
 「ほぉ、何やってるんだぁ?」
 「ベースボールです。
 まぁ、僕は来年卒業しちゃうんで、指導はできませんけど・・・。」
その側で、目をパチクリさせた女の子が口を挟む。
 「ええ? トムったら卒業できるのぉ?」
 「うるせーよ! ちゃんと授業受けるよ!」

ハロルドはうなずきながら、彼女達の会話を聞いていた・・・。
 うん、普通の学生だ・・・。
 来年卒業ってことは三年生か、
 依頼の少年は二年生だしな・・・。
 まぁ、他にも聞いてみるか?
 「・・・ハハ、あ~、じゃあ、ここは・・・、
 そう、例えば校内暴力とかイジメとか・・・危ない犯罪めいたことはないよなぁ?」
 「はは、さぁ、
 僕らは聞かないっすよ、
 ただ、ベースボールのしごきはビシビシいきますよ?」
 「トムぅ、それじゃあ、その人の弟さん来なくなるじゃない?」
さっきの女の子がまた横槍を入れてきた。
 「あー、いちいちうるさいな!
 これがウチの伝統なんだから!
 いーんだよ、これで!」