Lady Merry の日記

Yahooブログから引っ越してきました。

Lady メリーと異教の騎士 41

 
 そして・・・ハロルドのコルベットは州境を越え、
マサチューセツのフォールリバーに辿りついていた。
車をスーパーマーケットの道路わきに止め、ハンドルにもたれて辺りを窺う。
 さて・・・。
計画では、
あとはメリーが勝手に動くとの事なのだが、まだ陽は明るい。
人形を人前に晒すわけにはいかない・・・。
無論、それが動いていたりする事など!
事前に事務所のカーテンを外して用意してあるので、メリーを包むことまではオッケーなのだが、
どう見ても、それを人の目のあるところでやれば、
死体か何かを運んでるように見られやしないだろうか?

ハロルドは覚悟を決めた。
車を降り、トランクを開ける・・・。
 「お妃様、出番でございます。」
既にメリーはマネキンモードになっており、その瞳はあらぬ方向に固定したまま動かない。
ハロルドはため息をついて、そばにあるカーテンでメリーを包み始めた。
・・・一応、Lady なので、カラダに触れるのも注意は払うが・・・、
邪念さえいだかなければ、百合子は気にはしないだろう。
ハロルドは一度、イタズラ心を起こし、
カーテンを包む際、その指先を軽く握って折りたたんだ。
・・・ホントにマネキン人形みたいだ。
「へぇ」と感心しながら、車から人形を降ろす。
周りの目を気にしつつ、
スーパーマーケットの店内に入った・・・が。

当然、そんな人間大の大きな包みをもった者は、それだけで人目を惹き、
大勢の客は物珍しげにハロルドを見る。
・・・そして、案の定・・・。

 「きゃあっ!!」
近くの女性客が悲鳴をあげる。