Lady Merry の日記

Yahooブログから引っ越してきました。

Lady メリーと異教の騎士 46

 
機械的な対応に見えたモニタの女性は、ここで初めて笑みを浮かべた。
 『ふふ、そんな泣きそうな顔しないでよ?
 ただ、あなたのところに騎士団からの連絡はあったかどうか、聞くように言われたわ。』

そこでハロルドの口が止まる。
・・・無理もない、昨日の今日だ。
どういった報告をすべきなのだろうか?
端正な顔のアーリアは当然、そこは突っ込むべきだと判断する。
 『あったのね!?』
 「いや・・・あったっつっても、そいつは正規メンバーじゃねーぜ?
 騎士団本部に対して、何ら発言権を与えられちゃいねーヤツさ。。
 大体、今がどうなってるか、現状を聞かされただけさ・・・。」
 『そう、彼らの意図はデミゴット本体も把握しているけど、
 あなたはまさか借り出されたりはしないでしょうね?』
 「そんな必要もないだろう?
 あいつらも・・・自分らの事は自分たちでケジメとるだろうしな・・・。
 それより・・・オレ達、いや、ウチはどうすんだ?
 何らかのアクションを起こすのか?」
 『それは私にも何とも・・・。
 でも、組織としてはある程度、世界が混乱していた方が商売にはなるはずよ・・・。
 ただ、これが完全な荒廃や無政府状態にまでなるならば、
 我々も都合が悪い・・・。』
 「ヨーロッパはもう手遅れじゃねーのか?」
 『そうとも言えない、・・・戦況に変化が出てきたわ。』
 「あん? どうしたんだ?」
 『アジアの一角が崩れた・・・騎士団のね。』
途端にハロルドの顔色が変わる。
 「ハァン!? アジアって言えば、日浦義純や李袞のいるところだろ!?
 攻撃能力も実戦経験のない日本や、古臭い装備の中国軍に後れを取ったって言うのかっ!?」