Lady Merry の日記

Yahooブログから引っ越してきました。

緒沢タケル第四章その43

 
サルペドンを先頭に、全員席を立つ。
それから彼は、振り返って白鳥に話しかけた。
 「白鳥亮・・・、ここまでご苦労だった、
 後は、我らスサでタケルのことは引き受けるが・・・。」
 「あ、はい、ありがとうございます!
 で、では私はここで・・・。」
 「ああ、『向こう』のことは頼む・・・。
 それと・・・美香はツルギの力を引き出したそうだが・・・、
 お前はどうなんだ?」
 「あ、いえ、努力はしてますが・・・まだ。」
 「かつてスサノヲが大蛇を斬ったという、魔剣・蛇之麁正(おろちのあらまさ)・・・
 百年に一人の天才剣士と呼ばれたお前なら、と思ったんだが・・・。」
 「買い被りですよ!
 あの力を呼び起こすのは、剣術の腕とは直接関係ありませんし。
 ・・・でも、決戦までには使いこなせるようにと・・・!」
 「期待してるぞ・・・。」

どうも白鳥はここでお役御免と言うことか?
タケルは不安そうに振り返る。
 「あっ、もう・・・行っちゃうんですか?」
 「いや、ここの施設内にはいるさ。
 ただ、オレはスサの人間じゃないから、行動範囲が決められていてね、
 なに、すぐに会えるさ、
 何しろ、お前を指導するうちの一人は・・・オレだからな!」
 「げぇっ!?」
 「・・・何が『げぇっ』だ?
 楽しみにしてるぞ、お前と稽古するのは久しぶりだ・・・。」
 「あ・・・え、い、いや、あ、あの『おろちのあらまさ』って?」
 「・・・まだ、教えてやれるようなレベルじゃない。
 成長しなきゃならないのは・・・タケル、お前だけじゃないって事さ・・・。」
 「?」