Lady Merry の日記

Yahooブログから引っ越してきました。

緒沢タケル第四章最終話

 
そして、彼ら三人が次の場所へと歩き始めると、
マリアは少し、距離を置いて、彼らの後についていく。
・・・距離を置いたのは、彼女が一人で考える事があったからだ。
努めて顔には出さないようにはしているが、
無意識にうつむき加減で歩行せざるを得ない・・・。

 (タケルさんがあの鎧を使えるというの?)

彼女は幼少から、物心つくまでキリスト教文化の下で育ってきた。
それゆえ、彼女の価値観や観念には、
どうしても、そのキリスト教的な考え方が多くの部分を占めている。
そして彼女は、かつて、初めてこのルドラの鎧を見たときの印象が、
心の深い部分のどこかで、消す事も出来ずに今も蠢いているのだ・・・。
 
 あの凶悪な姿は・・・まるで・・・
 古典美術に描かれる・・・『悪魔』の姿ではないのだろうか、と・・・。

いや、考えすぎだろう、
それに、今は世界の危機にある・・・、
こんな事はどうでもいい、
今すべきことは・・・、騎士団を止める事・・・。
それが、全ての優先課題なのだ・・・。