Lady Merry の日記

Yahooブログから引っ越してきました。

緒沢タケル第四章その50

 
サルペドンはタケルから兜を返された。
彼・・・サルペドンにも、
この兜の異様な波動はビンビン伝わる・・・。
持っているだけならなんてことはないが・・・もし、自分がかぶったら・・・。
再び兜が台座に安置されてから、サルペドンは振り向いてタケルに話しかける。
 「・・・まだ警戒はすべきだが、
 訓練中、この鎧を身につけて行動してみろ・・・、
 重さにも慣れてもらわないとならないし、
 長時間、身につけられるかどうかもチェックしなければいかんのでな・・・。」
 「でもよぉ・・・、今の時代にこんな鎧、必要あるんすかぁ!?
 慣れるっつったって、どうしても動きが鈍くなるぜ?」
 「それは心配ない、
 後で見せるが、高速の移動手段を開発してある・・・。
 ま、それは騎士団も同様だがね・・・。」
 「?」
 「とりあえず、表に出よう、・・・マリア、待たせたな。」

三人が部屋を出て、再びこの部屋は暗闇に包まれた・・・。
黒光りする防具、その名は『ルドラの鎧』。

・・・そう、別の物語に登場した暗黒の武具・・・「死神の鎌ゲリュオン」と、
まさしく同じ属性の防具・・・。
この「ルドラの鎧」が、一体、如何なる秘密を持っているのか、
タケルは勿論の事、
これを伝えるクリシュナも、
膨大な知識を持つサルペドンですら、
今は認知することはできないのだ・・・。