Lady Merry の日記

Yahooブログから引っ越してきました。

ランディ プロローグ2

 
大きなスカーフをかぶったその女性は、戸口に立っていたロゼッタという女性に気を使いながらも、
暑い日差しの照りつける裏庭に降り立った。
 「ローリエ! ランディおじさんにわがまま言っちゃいけませんっ!」
途端にむくれる少女ローリエ
 「ぶ~、だあってぇ~!」
 「だってじゃないでしょう!? ランディおじさんは忙しいのよ!」
ランディは作業中の手を止めて、二人の中に割ってはいる。
 「ハハハ、レィチェル、そんな怒らないでやってくれよ?
 ローリエも・・・何か役に立ちたくてしょうがないんだ・・・、
 子供でも・・・わかっちまうんだよ・・・。」

 「・・・ランディさん、私は・・・。」
スカーフのレィチェルは、ランディの言葉にどう答えていいかわからないようだ、
目をうつむいて、しゃがみこんでしまった・・・。
 「ママ?」
 「ああ、だいじょうぶよ・・・、ローリエ、でもね?」
 「レィチェル、あんたは気にすんな、
 いいよ、ローリエはオレがカレーズまで連れて行く、
 アンタは部屋の中で休んでな、
 そうだ、3番の部屋のシーツが綻んでるんだ、
 直しを頼めるか?」
 「そ・・・そんなことでよければ私でも・・・。
 でも、みんなが大変な思いをして働いてるのに・・・。」
 「だから、みんなが出来ることをやればいいのさ、
 ・・・どんな境遇でも、ここにきたら、俺たちは家族だ!
 無理に悩むなよ、 みんなで仲良くやってこうぜ?」
 「・・・ランディさん・・・う・・・ありが・・・とうございます・・・。」
 「ママ? 泣かないで? ・・・ママ?」

レィチェルはその場でうごけなくなってしまったようだ、
ランディは落ち着いた顔で、「やれやれ」とでも言いたげだ。
 「おーい? ロゼッタぁ、レィチェルを部屋の中まで連れてってくれるかぁ!?」
戸口で、ずっと見ていたロゼッタが裏庭にやってくる。
レィチェルとは対照的に、下着同然のキャミソールに下は粗い生地の・・・、
デニムのようなショートパンツだ。
肌もこの地域の女性よりやや浅黒い。