Lady Merry の日記

Yahooブログから引っ越してきました。

ランディ プロローグ50

 
・・・そして、
そんな雷など気にも留めぬ男がここにも一人・・・。
背後に黒雲と稲妻を従え・・・、
真っ黒な「ルドラの鎧」で身を包んだランディが・・・、
全身全ての筋肉・細胞を活性させて、たった一騎でイル兵の軍勢のど真ん中に駆け出したのだ!!

 バカラッ・・・バカラッバカラッバカラッ!
 「・・・ぁぁぁああああああああっ!!」

既に彼の脳髄からは大量のアドレナリンが分泌っ!
鷹の如き彼の目は、接近しつつ最も位の高いと思われるイル兵に向かって狙いをつけた!!
当初、多くの・・・多くのイル兵が注意を向けたのは雷に対してのはずだった・・・。
だが、振り返ったその方角からは、
地獄の入り口を思い起こさせる真っ黒な黒雲・・・
そしてそこから魔王のように湧き出た暗黒の騎士!
さらには尋常ではないその接近するスピード・・・、
その騎馬を守るかのように轟く雷鳴っ!

この草原にいる全ての兵士が、
その信じ難い光景に、攻撃する事もできずに動きを止められてしまったのだ。

ランディの進路にいる障害物・・・イル兵・・・。
蛇に睨まれた蛙のように、彼らは逃げる事すら考えられずに足をすくませる。
そして・・・ランディは・・・その右手の両刃斧・ギザルムを・・・!
 「ぅぁぁぁぁぁあああああ!!」

草原に鮮血と肉の固まりが転げ落ちる・・・!
一つ・・・二つ、三つ!  ・・・無数の肉片!!
あっという間だ!
彼の通り道にいるイル兵のカラダが、裁断機を通したかのように、切り刻まれていく!
他の兵は、いきなり自軍に起こったこの信じ難い状況を受け入れる事などできなかった!
全ての兵士がパニックを起こし始めたのである!