Lady Merry の日記

Yahooブログから引っ越してきました。

ランディ プロローグ51

 
イル兵の指揮官も、ようやく後方から近づく影の正体を察知した。
元々イルの軍は、組織だった命令系統もしっかりしてるとは言えない寄せ集め・・・。
適当にテンデンバラバラ動くことが殆どだ。
指揮官も、部族の中で高位の者だと言うだけで、
部隊編成能力が高いというわけでもない。
彼は城攻めを無視して、ただ一騎・・・ランディを排除すべきと考えた!
 「何をしているっ! ただ一騎だ!!
 射殺せぇぇ!!」
・・・だがそれも無駄だ。
この密集地では味方に矢が当たる。
全員、同士討ちを躊躇して矢を射ることも出来ない。
 「この役立たずどもがぁぁ!!」
業を煮やした指揮官は自ら矢を構える・・・!
 なめらかな動作で・・・二本連射!
さすがにこれだけのイル兵を束ねるだけはある。

勿論ランディは、標的が放った矢を打ち落とすべく長柄斧を振るう!
 「うっ!?」
ところが、弾いた筈の矢の後ろにもう一本!
 (やばいっ! よけられ・・・)
指揮官は当然、周辺のイル兵・・・そしてランディすらも死を意識した・・・!

指揮官の二本目の矢は正確にランディの左胸を貫く・・・いや、
 ガリィン!!
 「・・・ッ!?」
 「なにぃっ!?」

当たり前だ・・・!
マシンガンの銃弾ですら、傷一つつけられない未知の金属で造られた「ルドラの鎧」・・・。
弓矢如きで穴を開けられる筈もないっ!