Lady Merry の日記

Yahooブログから引っ越してきました。

ランディ プロローグ52

 
一瞬戸惑ったのは、ランディも同様・・・、
だが、すぐに標的の位置を再確認・・・驚愕の表情を浮かべたままの指揮官を・・・!
 「うわあああああああっ!!」

 ランディの横薙ぎが、指揮官の頭蓋を真っ二つに弾き飛ばすっ!

そして一気にランディは、総崩れのイル兵を掻き分け城門の前へ・・・!
また、これら一連の光景を、ただただ固まって見ていたアルヒズリの城兵たちも、
ここへ来てようやく、事態を把握したのである。
 「こ・・・これが陛下の言われた事か!
 おおおおお、まさしく預言の通りぃっ!
 城門開放っ!
 全部隊・・・突っ込めぇ!!
 奴らを生かして帰すなぁぁぁっ!!」
城主の掛け声に、全ての兵隊達がときの声をあげる。
ほぼ直後、ダムの水を一気に放流するかのように、城の兵隊達がなだれ打った。

・・・すでに勝敗は決していた。
パニックに陥ったイル兵・・・失われた指揮官、
バラバラのイル兵たちは、小隊を組んで戦うアルヒズリの軍勢に絡め取られ、
ほとんど嬲り殺しにされている・・・。
それほどまでに、アルヒズリの男達に溜め込まれた憎しみは深い・・・。
さすがに騎馬術では、イル兵の方が上回る技術を持っているので、
完全に敗走態勢に入ったイル兵の一部は、逃げおおす事に成功している。
だが、ここまで圧倒的に叩き潰されては、
そうそう、次の攻撃をかけるまでに部隊を再編成しなおす事は難しいであろう。

そして・・・本人には全く意外な結果となったがために、
きょとんとした顔のランディは、拍手と歓声を以って、
このテルアハの城に迎え入れられたのである・・・。