Lady Merry の日記

Yahooブログから引っ越してきました。

エリナと優一 2

 
階段の手前で応接室に一瞬、目をやると、
ホントに偉そうな中年男性が二名、談笑してるのがガラスの隙間から見えた・・・。
 「父親」も気を使ってるようだな・・・。

優一の興味はそこで途切れた。
自分の部屋でとっとと服を着替えて、音楽でも聴く。
とりあえずは・・・、
と思っていたのだが、なんとはなしに、優一は階下の声に耳を澄ませ始めていた・・・。
途中から気になり始めたのである・・・。

なお・・・彼の感覚機能・・・五感はやたらと鋭い・・・。
目も耳も鼻も・・・。

 「・・・ハッハッハ!
 それで、どうだね、斐山教授?
 是非ぃ、ウンと言っていただけないだろうか?」
 「いえいえ・・・!
 あ、あの、ですね、
 確かに私も家内も・・・その地域には足を運んだ事はありますし、
 二階には空いてる部屋もあるんですが・・・、
 え・・・と、今度のお話の子は・・・女性、なのでしょう!?
 ウチには年頃の息子がおるんです・・・、
 何か起きたら・・・それこそ大問題に・・・!?」
 「なに、
 その時はその時だよ。」
 「そ、そんな責任持てませんよ・・・!」
 「んー、実はぁ、斐山教授・・・、
 もちろん、そんなことは私だって先方には説明してるさ、
 ・・・しかしね、
 向こうはそういった日本の文化面や社会道徳面なんかも、
 併せて体験したいんだそうだ。
 まぁ、その子も、日本語はおろか、護身術も身につけてるそうだから、
 そんじょそこらの不良ごときには相手にならないそうだよ!?」