Lady Merry の日記

Yahooブログから引っ越してきました。

上陸 1

 
 「・・・ツナヒロ、ここはどの辺りだと思う?」
 「北半球・・・着水場所は肉眼でしか判断できないが、
 東南アジア・・・いや、東シナ海か・・・沖縄付近だと思う・・・。
 もっと先に進むべきだったんだろうが、肉眼だけだとさすがにな・・・。」
 「沖縄か、・・・だったらステーツの基地があるよな?
 うまくそこにたどり着けたらいいな?」
 「うまくいけばな・・・、これが中国領海内だと面倒だぞ・・・?」

当然のことながら、宇宙船内で経過している時刻と、
地上のこの場所の時刻に相関関係はない。
太陽の高さや照り具合からいって、今は昼前ぐらいなのだろうか?
二人は、モートンの遺体をベッドまで運び、
落ち着いたところで、残りの宇宙食を食べることにした。
まぁ、食料もまだ余裕あるし、
宇宙空間で漂流することを考えれば、
地球の海の上で流されることなど、怖くもなんともない。
少し、落ち着きながら、船外カメラで辺りを観察してたドナルドが目を細める・・・。
 「おっ!?」
 「・・・どうした、ドナルド?」
 「船だ!」
 「マジか!? って、レーダーには何の反応もないぞ?」
 「そりゃそうだろう、小さな漁船だ!」
ツナヒロもモニター画面を注視する。
確かに小さな船だ・・・。
エンジンも積んでないんじゃないか?
 「後ろにもいる・・・2~3隻の・・・民間人の漁船だろうな・・・。
 おっと、他にもいるようだ・・・、
 どうする?」
 「どうするってなぁ・・・しかし、
 どっかの国の海軍とか沿岸警備隊とかじゃなくて、
 民間人の船かぁ・・・、とりあえず、交渉してみるか・・・。」