上陸 7
「・・・それでですね、
私たちは、アメリカの宇宙飛行士で、
火星に向かっていたんです。
船のトラブルで火星にはたどり着けずに、ついさっき、この地球に戻ったんです・・・。」
これを説明するのに何十分かかったことか。
神父も兵士も理解できないようなのだ。
いや、理解はしているのかもしれないが、信用できないのだろうか?
話題を変えよう。
「私たちはアメリカの人間です。
大使館と連絡を取ってほしい。」
これもダメだ・・・どうなっているんだ!?
まさかアメリカを知らないはずも・・・。
そのうち、神父は兵士の一人に何か頼みごとをしたようだ、
一人退席する。
神父・・・彼の名前はセルジオ神父だそうだが、
彼はゆっくりとツナヒロに語りかけた。
「ツナヒロ・スークさん・・・、
あなた言う・・・アメリカ・・・
私たちその国 知りません。」
「はぁ? じゃあジャパンは? イギリス? 中国は!?」
神父は首を振るばかり・・・。
「残念です、その全ても・・・。」
「じゃあなんであんたは英語をしゃべれるんです!?」
「この言葉は、この国で・・・いや
私 知る、この周辺国どこでも使われていません。
神に仕える者だけ、
この聖書で 英語を学ぶだけなのです。
もちろん、実際 使うは ないですから
聞く苦しい 許してください・・・。」
そんな馬鹿なことがあるのだろうか!?
からかわれているのか?
だが、そんなことで、ドナルドを刺されてたまるか!
「じゃ! じゃあこの国はどこなんです!
地球のどの場所にあるなんという国なんですか!?」
「ここ・・・大陸の東南部・・・、
大陸最大国土持つ・・・九鬼帝国・・・。」