Lady Merry の日記

Yahooブログから引っ越してきました。

ユェリン 2-8

 
 「て! てめえ!?」
 「だから、お前の選択は正しかったんだよ。
 少なくとも寿命が延びただろう?」
なんて恐ろしい事を考えるんだ、こいつは・・・。
というよりも、この先、信用できるのか!?
いや!
もともと、こんな奴の言うことを真に受ける必要すらなかったのかもしれない。
そうだ、今からでも遅くはない・・・。
コイツの言うことを聞くふりをして、隙を見つけ大声を上げれば・・・、
すぐに外から衛兵がかけつけるだろう。
そうして、こいつが謀反を企んでいたとでも言えば・・・。

 「ツナヒロ様・・・?」
 「ユェリン!?」
廊下の影から突然、彼女が現れた。

その瞬間、男のカラダが跳んだ!
まさかユェリンを!?
 「や、やめろぉっ!!」
ツナヒロが叫んだところで間に合うわけもない!
いま、まさに最悪の事態が起こりそうな寸前、
ユェリンはもう一言だけ声をだすことに成功していた・・・。
 「ザジルッ!?」
その言葉に、男は振り上げていた手を止めていた・・・。
いや、見ればユェリンもその手に尖った長い針のようなものを持ち構えている・・・。
これは?
男は・・・ザジルと呼ばれた男はその腕を下していた・・・。
 「まさかお前がここに来ていたとはな・・・。」
後ろからツナヒロが思わず口をはさむ。
 「お前たち、知りあいなのか!?」