暗殺者ザジル 7
「おい! ユェリン!! ダメだーっ!! 目を開けろッ!
たのむ! ユェリン!!
そ・・・そうだ、ザジル!! お前オレの傷口を治したよな!?
アレをやってくれ!!
そ、そうしたらすぐにここを出発するから!!」
ザジルはすぐにユェリンの元に駆け寄った。
ほんの・・・ほんの数秒傷口を注視していた彼は、
口早にツナヒロにある決断を促した・・・。
「・・・致命傷に近い。
オレには開いた傷口を閉じることはできるが・・・、
医学知識があるわけではない。
それにこの傷は体の奥まで達している・・・。
内臓の損傷を戻すには、一時的にこの傷口を広げないと不可能だし、
そうなると出血量もかなり危険なものになる。
それでも・・・いいのか?」
「こ、このままでも死んじまうだろう!?
急いでくれ! そうしたら・・・。」
ザジルは一度、ツナヒロの目を見て、彼の意志を確認した。
すると首を元に戻すや否や、あっという間にユェリンの背中の包丁を引き抜いた。
途端に噴水のように大量の血液が吹き出した!
だが、ザジルはうろたえない、
そのまま冷たい瞳で、彼女の傷口の中に指を突っ込んだのだ!!
ツナヒロは脂汗を垂らして見ているだけしかできない。
こ・・・これでなんとかなるのか?
感染症の心配だって・・・。
その永遠にも感じる長い時間は、10秒もかからなかったのかもしれない・・・。
それまでとめどもなく溢れ続けていた血液は、急に流れを止め、
ほぼそれと同時に、ザジルは血まみれの指先を抜き出していた。
言葉をかけようとするツナヒロのうろたえを無視し、
ザジルはさらに表面上のユェリンの傷口に、今一度その指を這わせていた・・・。
「ザ・・・ザジル、ユェリンは・・・!?」
それまでとめどもなく溢れ続けていた血液は、急に流れを止め、
ほぼそれと同時に、ザジルは血まみれの指先を抜き出していた。
言葉をかけようとするツナヒロのうろたえを無視し、
ザジルはさらに表面上のユェリンの傷口に、今一度その指を這わせていた・・・。
「ザ・・・ザジル、ユェリンは・・・!?」