第二十三話
ヨリは一人盛り上がっている。
「うんそうそう!! わぁぁ、エリナちゃん、話わかりすぎ!!
外人さんだってこと忘れちゃうよっ!!
・・・で、それでそれで!?」
ヨリ、瞳をキラキラさすなっ!
エリナは足を止めて自問自答する・・・。
自分だって、心の中身が一貫してるわけでもないし、様々な葛藤や欲求がある。
単純に分析できるわけでも、それを他人に軽々しくしゃべるのも・・・。
「あ・・・あの、私は・・・。」
「フンフン!?」
ヨリ、鼻息粗すぎっ。
「優一さんのことは素敵に思ってますよ・・・、
でも、まだそこまで考えてないって言うか・・・、
第一、私、まだあの人に、そう言う女性だと認識されてないと思います・・・。」
「ええっ? つまり斐山君に女の子扱いされてないってことぉ!?
エリナちゃん、そんな可愛いのにっ!?」
「あはっ、ありがとうございます、
でも、いいんです。
・・・今はまだ・・・。」
エリナは左右の掌を自分の顔の前でくっつけた。
その長い両の人差し指が彼女の柔らかい唇に弾む・・・。
含みのあるエリナの言い方と、
彼女のちょっとうつむいた表情で、
加藤も依子もエリナの本心はわかってしまった。
そんなに斐山君、魅力的なんだろうか?
まぁ、確かに美形だし、かっこいいと言えばかっこいいんだろうけど・・・。