Lady Merry の日記

Yahooブログから引っ越してきました。

14.『夢』を知る宋公明、朱武を導く

 
 「朱武君・・・李袞師範・・・今の話は本当かね?
 話しぶりからすると、武の世界で名を上げたキミへのやっかみとかではなさそうだな・・・。」
朱武は少し間をおいて、頭を下げながら説明する。
 「すいません、
 正直、宋大人、あなたも信用できるかどうかオレにはわからないんです。
 オレの命を狙う相手は人民政府の中にもいるかもしれないんです・・・。」
 「何だと? 
 それは・・・マフィアや蛇頭などというレベルですらないのか?
 いや、その前になぜ命を狙われる?」
だがその問いに答えるわけにもいかない。
朱武にとってすれば、もし宋公明がその敵の手先であった場合、
その答え次第で、自分の命を危険に晒すことになるのだから・・・。

では何故、わざわざそんな方向に、自分で話を持って行ったのか?
それは朱武の心の中で、
一種の賭けを行ったからだ・・・。
もし、この宋公明が自分の味方となりうるのなら・・・。

だが意外にも、
その答えは・・・誰よりも早く、宋公明自ら解き明かすことになったのである・・・。
 「フム・・・まさかとは思うが・・・、
 山東の白い鷹・・・朱武、
 鷹・・・狼・・・龍・・・鬼または巨人・・・。
 朱武君、君は使徒の一人だとでも言うのかね・・・?」
林沖が何事かと宋公明の顔を見上げる。
一方、李袞と朱武はほぼ同時に、
意外なる表情を隠すこともできず、宋公明の顔を凝視してしまう。
その表情を見て、宋公明は自分の想像に確信を持った・・・。
 「やはり・・・4人の使徒・・・そして多国籍軍事産業デミゴッドの件に関わるのですか・・・。」

李袞の口から真実が漏れる。
 「宋大人・・・あなたも『夢』をご存知なのですか・・・!?
 いえ、いま、やはりと・・・!?」