Lady Merry の日記

Yahooブログから引っ越してきました。

15.導く宋公明、四使徒と九頭蛇を語る

 
宋公明は片手をあげて制止する。
 「いえ、今回その件は、あなたがたをお招きするに当たり、
 全く想定しておりませんでした。
 ただ、私もここ数年、その・・・夢の話ですよね?
 同じ内容の夢を繰り返して見てしまうので、
 各方面に、その内容が意味することを色々、相談しておりましてな、
 デミゴッドの9人の頭目と、世界のどこかにいる4人の選ばれた者たちの話は、
 ずっと、心の中に留めておいたのですよ・・・。
 そこへ山東の『鷹』でしたからね、
 まぁ、それだけでは何の確証にもなりませんが・・・、
 先ほどの朱武君の立ち回りを見て・・・。
 それで、先に言っておきますが、私は軍部の人間ではありません。
 ですが今のところ、人民政府とデミゴッドの間に太いパイプはないはずです。
 ・・・何ぶんにも、あの団体からの買い付けにはコストがかかりすぎる。
 ただ、末端部品の製造とか、生産ベースでは取引がある。
 その程度の認識で良いはずですよ。」

重ねて驚く朱武達・・・。
特に朱武の驚愕はただ事ではない。
 自分以外にもあの夢を見続ける者が・・・?
 それもこの宋公明がっ!?
そう・・・、この若き拳法家・・・朱武も幼少の頃より見続けてきたのだ・・・、
斐山優一と同様・・・何度も何度も。
 「まさか宋大人、あなたも四人の使徒・・・?」
朱武の戸惑いながらの質問に、宋公明は自嘲気味に全否定する。
 「とんでもないとんでもない、私はただの小役人さ、
 意外とあの夢を見ている人間は多いんだよ。
 逆に言うと・・・、
 朱武君、こう言っては失礼だが、君が四人の使徒であるという保証も・・・。」
それは至極当然の考え方ではある。
あの『夢』は誰かを特定できるような内容でもないし、
夢を見た当人に、自分自身がその登場人物であるかの如く、
認識させるようなイメージも与えてはいない。
・・・だが。