Lady Merry の日記

Yahooブログから引っ越してきました。

17.山東の白い鷹、宋公明の庇護を得る

 
 「・・・なるほど、よくわかったよ、朱武君・・・!」
宋公明は、完全に厳しい威厳のある表情に戻っている。
恐らくこっちが本当の顔なのだろう。
 「ではこうしよう・・・私が君のバックアップ・・・後見役となろう、
 君にその・・・徴とやらか?
 それが訪れるまでこの私の力を利用するがいい。
 上司や部下ではない、
 関係は対等だ、それでどうかな?」
目をまん丸に見開く朱武に、空いた口がふさがらない李袞、
 「宋大人、いったい何故にそんな・・・!?」
宋公明の傍の林沖はため息を・・・。
 「・・・また始まった、先生の悪い病気が・・・。」
一方、宋公明は、林沖の軽い突っ込みに微笑を浮かべる。
 「ちゃかすな、林沖、
 私は真面目だよ、
 それに李袞先生に朱武君、
 これは必然のようなものだよ、
 四人の使徒が、世界のどこに存在するのか、今まで誰も知ることなどできなかった。
 恐らく夢を発信してるものですら、そこまで認知することなどできないのだろう、
 もし知ってるのなら、直接その者たちに伝えればいいだけなのだから。
 だが、ここに一人存在するとなると・・・、
 この国は良きにしろ悪しきにしろ、この情報化時代に孤立している国だ。
 デミゴッドの情報網やその影響力からも浮いた状態となっている。
 君が巣立つその時までに、戦いの準備を行うにはちょうどいい環境なのだよ・・・。
 いや、もしかすると・・・他の使徒たちもこの国のどこかにいるのかもしれないな・・・。」

ここから先は通常の宴席となった。
互いにそれ以上の確実な話を進めることができなかったせいもあるが、
育ち盛りの朱武に、目の前のごちそうを無視させるわけにもいかなかったので・・・。
どちらにせよ宋公明にとって、この日は最高に胸を高鳴らせる宴である事は間違いなかった・・・。